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2022年2月25日(金)

アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を

大企業優遇の減税をただし、内部留保を賃上げと「グリーン投資」など国内投資に

志位委員長が提案

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(写真)記者会見する志位和夫委員長=24日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内の記者会見で、アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を行うことを提案しました。志位氏は「大企業優遇の不公平をただす、賃上げや『グリーン投資』を促す、最低賃金1500円引き上げの財源になる。一石三鳥の効果をあげるのが今回の提案だ」と強調しました。(全文)

 志位氏は「大企業が利益をあげても、巨額の内部留保が積み上がって、日本経済に還流していない」と指摘。このゆがみは、自公政権によるアベノミクスでひどくなり、2012年から20年にかけて、資本金10億円以上の大企業の内部留保は130兆円増えて466兆円になる一方、働く人の実質賃金は年収22万円も減ったとして、「人件費を削減して目先の利益増を目指す新自由主義的経営が横行した結果、内部留保と株主への配当だけが増え、日本経済のゆがみを大きくした」と強調しました。

 そのうえで志位氏は、資本金10億円以上の大企業に、2012年以降に増えた内部留保額に毎年2%、5年間で10%の時限的課税を行うことを提案。「内部留保課税が、大株主や富裕層の資産をさらに増やし、不公平の是正どころか逆に拡大する結果にならないような制度の設計を考えた」と述べ、内部留保課税の意義として3点をあげました。

 第一は、自公政権による大企業減税の不公平をただすことです。志位氏は、自公政権の下で、大企業には年間4兆円程度の減税が実施され、10年間で40兆円もの「減税効果」となり、内部留保の積み増しに回っていることを指摘。「内部留保課税によって『減税効果』の4分の1程度をさかのぼって是正する」と述べました。

 第二は、内部留保課税に適切な控除を設けた点です。志位氏は、課税対象額から賃上げ額を控除することで、各企業が賃上げを行えば、その分、税負担が減る仕組みになっていると強調。さらに、国内設備投資額を課税対象から控除することで「グリーン投資」を増やすなど経済の持続可能な発展につなげると訴えました。

 第三は、新たに生まれる10兆円の税収を中小企業・中堅企業の賃上げ支援に使い、最低賃金を時給1500円に引き上げる点です。志位氏は「中小企業・中堅企業に対する社会保険料の負担を軽減し、最低賃金の引き上げを行う」と述べました。

 志位氏は「日本共産党が内部留保の課税について発表するのは、今回が初めてだ。内部留保がこれだけ積み上がり、税の不公平が甚だしくなっており、さらに賃上げが必要という状況の下で、政治ができることは何かを考え、今回の提案をまとめた」と説明。「今度の提案は、大企業の賃上げにも、中小企業の賃上げにもつながるし、グリーン投資にもつながる。ぜひ、この提案を国会審議にも生かして、実現を求めていきたい」と述べました。


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