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2022年2月1日(火)

男女賃金格差解消目標の7社判明

数値提示は2社のみ

 女性活躍推進法に基づき、男女の賃金格差について目標を掲げ政府のデータベースで公表している7社と目標の中身が、31日までに判明しました。厚生労働省が日本共産党の山添拓参院議員の照会に対し、昨年12月の答弁の詳細を説明したもの。企業ごとに内容に濃淡があり、男女賃金格差の実態把握と解消のためには、制度の抜本改善が不可欠なことが浮き彫りになっています。

 同法に基づく情報公開は、女性役員の割合や男女別の平均勤続年数など8項目から、企業がその規模に応じて一つまたは二つ以上を選び、公表する仕組み。企業は目標値や実現への道筋を行動計画にまとめ、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や自社ホームページで公表します。男女の賃金格差については把握・公表の義務がなく、政府も課題と認める「格差解消」に向けて実効性が疑問視されています。

 後藤茂之厚労相は昨年12月の参院予算委員会で、山添氏に対し、同省データベースに掲載されている企業のうち、「男女の賃金の差異、格差について目標を掲げている企業は少なくとも7社はある」と答弁。同省は今年1月31日までに、山添氏に7社の社名(表)と目標の詳細を回答しました。

 7社の目標は、「格差の解消を目指す」「格差を少なくする」など抽象的な表現が多く、男性の賃金を100とした場合の女性の水準を「65以上とする」や、「男女の平均時給の差異を100円以内とする」など、具体的な数値を示しているのは2社にとどまります。

 現状の格差を数値で明確にしているのは、男性の賃金を100とした場合の女性の水準を「56・2」と記載した1社だけでした。

 岸田文雄首相は25日の衆院予算委で、共産党の宮本徹議員に対し、この仕組みについて「賃金格差そのものの開示を充実する制度の見直しを検討したい」と答弁したものの、具体的な内容は不透明です。

男女の賃金の格差について目標を掲げている企業

▷スターバックスコーヒージャパン(東京都品川区)

▷潮冷熱(愛媛県今治市)

▷清和海運(静岡市)

▷富山第一ドライクリーニング(富山県魚津市)

▷プログレス(愛知県岩倉市)

▷ニチハボード加工(名古屋市)

▷水谷印刷(名古屋市)

2021年12月19日、厚労省調べ

かっこ内は本社所在地

国が目標持ち義務付けせよ

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 日本共産党の山添拓参院議員の話 女性活躍推進法に基づく行動計画をつくる2万7000社余のうち、男女賃金格差について目標を掲げる企業は、ごくわずかです。政府が把握した7社のなかでも、現状と目標を数値で表して是正しようとしている企業は極めて少ないことが分かりました。女性には非正規雇用で働く人が多く、女性の多い職場は賃金が低いという実態があります。政府自らが男女賃金格差の解消を正面に据え、数値や期限の具体的な目標をもつべきです。そのうえで、企業に対する格差の把握、公表、是正計画策定の義務付けに踏み込むことが必要です。


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