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2021年12月11日(土)

岸田政権 半導体企業に巨額の税金ばらまき

対象数社、かつてない規模

図

 半導体を「戦略物資」と位置付ける岸田文雄政権は、国内での半導体製造拠点の建設を支援するための法案を臨時国会に提出しました。巨額の財政支援を本予算ではなく、補正予算案に計上し、臨時国会での成立を急いでいます。巨額の税金投入への国民的批判が広がる前に成立させようという意図があるかのようです。

短時間審議で

 法案は、特定高度情報通信技術活用システム開発供給導入促進法(5G促進法)と、新エネルギー・産業技術総合開発機構法(NEDO法)の二つの法律の改定案です。

 改定案は、かつてない大規模な補助金を、わずか数社の半導体製造事業者に投入するためのものです。

 補助金の対象は、高速・大容量通信規格の第5世代移動通信システム(5G)に対応できるような特定半導体を作る工場です。事業者が作成した施設整備計画を経済産業相が認定すれば、NEDO(ネド)につくる新たな基金から認定計画の実施にかかわる経費が補助される仕組みです。補助率は最大2分の1。さらに、認定事業者に貸し付けを行う金融機関への利子補給も行います。

 認定基準には、半導体の一定期間以上の継続的な生産や、需給ひっぱく時の増産、技術に関する情報流出を防ぐ体制整備などが規定されています。具体的な生産期間は、法律には明記されておらず、省令で定めることになっています。事業者が違反した場合は、補助金の返還を求めることになります。しかし、違反した場合の罰金の定めはありません。

 政府は、2021年度補正予算案に基金向けの6170億円を計上しました。認定の第1号は、台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループが計画する熊本県の工場と見込まれています。支援額は4000億円。残りの約2000億円は米マイクロン・テクノロジーとキオクシアホールディングスなどの工場の新増設費用への一部支援が候補として挙がっています。補助金支出の対象事業者はごく数社でしかありません。米マイクロン・テクノロジーは、公的資金の注入を受けつつ経営破綻したエルピーダメモリを買収した企業です。

経済政策の失敗

 日本の半導体産業は、80年代に売上高で世界の5割を超えていました。ところが日本市場への外資系半導体のシェアを事実上20%以上にすることなどを取り決めた日米半導体協定をきっかけに衰退の道をたどりました。自民党政権は、公的資金の投入などを実施したものの、現在は10%に落ち込んでいます。日本の半導体産業の衰退は、自民党の経済政策の失策と企業の経営戦略の失敗の帰結です。

 岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の実態が外資を含めた大企業への税金のばらまきだということが、いよいよはっきりしてきました。(金子豊弘)


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