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2021年12月3日(金)

2021総選挙 攻防のプロセス(下)

自公を土俵際に追い詰めた

次は攻め落とすたたかいを

 選挙戦中盤から終盤にかけて、自公と補完勢力による野党共闘と日本共産党への攻撃は候補者を先頭にさらに激しくなります。

 山陰中央新報10月30日付は、自民党の赤沢亮正候補(鳥取2区)が、「新型コロナウイルス対策を担当する内閣府副大臣として実績を強調してきた」ところ、同25日の演説会で「演説内容が一変した」と指摘。共闘を「『理念なき野合』と厳しく追及」と報じています。

首相まで加わり

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(写真)岸田首相が共闘攻撃を行った街頭演説=10月27日、東京都北区

 それまで街頭での共闘攻撃はしてこなかった岸田文雄首相も同27日、東京12区での街頭演説で、「どの政党が、どの候補者がしっかりとした外交・安全保障を進めることができるのか、これもしっかり見ていかなければなりません」と訴えました。同選挙区は共産党の池内さおり氏が野党統一候補となった選挙区です。

 東京では自公候補と野党共闘候補が対決する激戦区(18、19区など)に、岸田首相はじめ自民党幹部や閣僚、閣僚経験者が連日応援に入り、徹底的に反共、野党共闘攻撃を繰り返しました。

 メディアを利用した攻撃も行われました。

 「読売」「産経」10月26日付と「日経」同27日付に掲載された『月刊Hanada』の広告に「日本を侵すシロアリ日本共産党」「民主主義か共産主義かの闘いだ」と共産党を中傷する文言が記載されました。新聞広告倫理規定からも逸脱したもので、明らかに選挙妨害に当たります。しかし、同誌の広告はJR東日本の山手線内や東京メトロの車内にも掲示されました。

 埼玉県で立憲民主党候補が立った選挙区では、最終盤、自民党候補の公営掲示板に「共産連携内閣を阻止」という赤いシールが張られる事態まで起きました。

 こうしたなか、日本共産党の志位和夫委員長、小池晃書記局長は29日、連名の檄文(げきぶん)でこう訴えました。「他党も必死です。私たちが必死さで後れをとることになれば、チャンスを逃し、後退に追い込まれる危険もあることを、直視しなければなりません」

動揺の告白次々

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(写真)参院選勝利へ向けてがんばろうと決意を固め合った第4回中央委員会総会=11月28日、党本部

 支配勢力の必死の野党共闘攻撃、日本共産党攻撃にもかかわらず、マスメディアは、最終盤の情勢調査で、「(自民党は)当落線上に党幹部や閣僚を含めて104人が競り合っており、予断を許さない状況だ」(「読売」10月29日付)と報じました。自民党関係者からも単独過半数割れの危険もささやかれました。

 自民党関係者の一人は「(選挙が)終わったとき、勝ったか負けたかわからなかった。甘利(明)幹事長(当時)の(小選挙区)敗退も確実とみられ、単独過半数割れと言われていた。(開票日)夜8時の時点で、党本部の雰囲気は暗かった」と語ります。野党共闘が自公と補完勢力をいかに追い詰めていたか―その証左でもあります。選挙後、同様の告白が自民党議員から相次ぎました。

 自民党の情報調査局長などを歴任した平将明衆院議員はBS番組で「現場でたたかっている人から見ると、立憲と共産党の統一候補というのは大変な脅威でした。いままでと緊張感が全然違う。最後は競り勝ったが、どっちに転んでも不思議ではなかった」(11月4日放送のBS―TBS「報道1930」)と告白。

 別の自民党議員も「結果は絶対安定多数だが、最終盤の情勢は、調査の数字も含め非常に厳しかった。陣営は引き締まり乾いた雑巾を振り絞るような活動をやって競り勝った」と実感を込めました。「100近い激戦区は僅差で、どちらが勝ってもおかしくなかった。選挙のルール上は勝ちだが、実際の数字で言えば安心していられない」

 志位委員長は11月27日、第4回中央委員会総会への報告でつぎのようにのべました。

 「今回は、支配勢力を恐怖に陥れるまで攻め込み、追い詰めたが、攻め落とせず、私たちの悔しい後退となりました」「このたたかいから教訓を引き出し、次は攻め落とすたたかいをやろうではありませんか」

 (おわり)


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