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2021年11月27日(土)

主張

「辺野古」不承認

政府は全ての工事を中止せよ

 沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設をめぐり、玉城デニー知事は、埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事のために政府が申請していた設計変更を不承認にしました。知事の決定は、「マヨネーズ並み」の軟弱地盤が広がる海域に豊かな自然を破壊して巨大な軍事基地を建設することがいかに不合理で、不適切であるかを示すものです。設計変更が認められない限り、新基地は完成しません。計画の破綻はいよいよ明確です。政府は全ての工事を直ちに中止すべきです。

あまりにもずさんな計画

 デニー知事は不承認の決定を発表した25日の記者会見で、その理由を次のように挙げました。

 ▽水面下90メートルに達する軟弱地盤の最も深い地点について政府が水面下70メートルまで改良工事をすれば安定性は保てるとしている点に関し、残る20メートルの未改良層の性状を確認するための必要な試験が行われていない。そのため、公有水面埋立法が承認の要件とする「災害防止への十分な配慮」に適合しない。

 ▽埋め立て工事によって多数の船舶が航行している状況から、ジュゴンへの影響を調べるため水中音の調査などを実施可能なのに、これを行っていない。また、地盤改良のために約1万6千本の杭(くい)を打つことによって海底地盤が盛り上がることになっているが、それが環境に及ぼす影響についてのデータが収集されていない。これらのことから、公有水面埋立法が定める「環境保全への十分な配慮」に適合しない―などです。

 あまりにずさんな計画であることは明らかです。

 加えて、政府の設計変更申請では、先の沖縄戦で犠牲になった戦没者の遺骨がいまだ残される本島南部から土砂を採取し、新基地建設の埋め立て工事に使用する可能性が示されています。この問題についてデニー知事は会見で「既存の法制度の枠組みを超えて国民全体の問題として受け止めないといけない」と訴えました。政府は、土砂の調達先はまだ何も決まっていないと説明するだけで明確に否定していません。知事がこうした態度を批判し、「悲惨な戦争を体験した県民、国民や遺族の思いを傷つける行為は絶対にあってはならない。人道上許されるはずもない」と強調したのは当然です。

 今回の設計変更申請は、政府が埋め立て工事を始める前に必要最低限の地盤調査をすべきであったにもかかわらず、これを実施せず、「不確実な要素を抱えたまま、見切り発車したことに全て起因するもの」(デニー知事)です。

 その結果、政府の試算でも、新基地がたとえ完成しても米軍への提供までには最低12年かかり、「辺野古の埋め立て工事は普天間飛行場の危険性の早期除去につながらないことが明白」(同)となっています。

新基地ノーの声を結集し

 岸田文雄政権は、今回の不承認の決定に対し、さまざまな対抗手段を取る構えです。しかし、政府の設計変更申請について、沖縄県内外、国外から1万7839件の意見が県に寄せられ、その全てが否定的なものだったといいます。辺野古新基地ノー、普天間基地の即時閉鎖・撤去の声を結集し、岸田政権のたくらみを許さないことが必要です。


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