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2021年10月27日(水)

リニア線上に帯水層

差し止め訴訟東京地裁初弁論 原告住民が指摘

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(写真)裁判所前で集会を開く原告ら=26日、東京都千代田区

 JR東海のリニア中央新幹線(東京・品川―名古屋間)建設工事が生活環境を壊すとして東京都大田区と世田谷区の住民24人が原告となり、同工事の差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、東京地裁(小田正二裁判長)でありました。原告の男性(69)=大田区田園調布=が意見陳述を行い、リニアのルート上に帯水層(地下水で満たされた地層)があると指摘しました。

 同工事では、男性の自宅の直下にリニアのトンネルが掘られる計画です。これまでに自宅の敷地内3カ所で井戸掘削などの際にボーリング調査をし、そのうちの一つはリニアのトンネルが掘られる地層を確認するために地下90メートルまで調べました。

 男性は、自宅の地下33メートルの井戸から毎分18リットルの水をくみ出しているとして、さらに「地下80メートル付近で帯水層が見つかっている」と指摘。「地下80メートルは、リニアのシールドマシン(掘削機)が通る位置にあたる。工事を進めれば水を含んだ砂の層が流出し、井戸の枯渇や家屋が傾くなど地表への影響が生じる」と述べました。

 田園調布で4人の子を育てる原告の女性(49)は意見陳述で、リニアのトンネル工事により地盤が崩壊する恐怖を感じると強調。「自然が豊かな地域で生活したいと考え、多摩川の近くに土地を探して住居を新築しました。私たちの日常と子どもたちの未来をおびやかす工事を止めてほしい」と訴えました。

 一方でJR東海側は、差し止め請求を棄却するよう求めています。


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