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2021年10月26日(火)

自民党総選挙政策

石炭火力・原発に固執 気候危機打開・地球の未来託せず

 自民党の総選挙向け政策は、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する火力発電や原発の再稼働、新型の小型原子炉の地下立地への投資を掲げるなど、気候危機打開と原発ゼロを目指す世界の流れに逆行しています。

削減低水準

 気候危機打開は待ったなしの大問題です。自民党は脱炭素化を掲げてはいますが、肝心の2030年度までのCO2削減目標は46%と、日本政府と同じです。10年比では42%であり主要国の50~60%削減と比べ低水準です。

 国連は日本を含む主要国に対し、30年までに石炭火力からの撤退を求めていますが、自民党の政策に「石炭火力発電の全廃」との文字はどこにもありません。しかも政府は今後、9基の大規模石炭火力発電の新増設を進めようとしています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、12日の衆院本会議で岸田文雄首相に「石炭火力発電をゼロにすべきだ」と追及しましたが、首相はまともに答えませんでした。

新規投資も

 危険な原子力に固執する姿勢も異常です。

 自民党の政策には「安全性が確認された原子力発電所の再稼働」を進めると明記。原発を「不可欠な電源」と位置づけ、「必要な規模を持続的に活用」(自民党政策BANK)するなど、将来にわたって原発を維持するねらいです。

 11年の東京電力福島第1原発事故以後、原発の運転期間は原則40年間と定められましたが、例外として最長20年間延長されました。老朽化した原子炉は放射線の影響で劣化しており、重大な危険性がより高くなる上、実効ある避難計画がないことへの不安は解消されていません。

 さらに自民党の政策は「SMR(=小型モジュール型原子炉)の地下立地」への投資の後押しを提案しています。SMRの技術は実用化されていませんが、主要な部品を工場で製造し現場で組み立てることで、短期間の建設が可能だといいます。事故時の安全性に配慮し、地下に埋めるといいますが、有害性が天然ウランと同程度になるのに10万年かかる高濃度放射性廃棄物を発生し、最終処分場も決まっていません。

 政府の研究機関は「単位出力当たりの建設費は大型炉に比して上昇する」「ビジネスモデルとして不確かさがある」(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)などと指摘していますが、自民党の甘利明幹事長は「老朽原発を複数基のSMRで建て替える」(13日付「日経」)と主張しています。

 また、「究極のクリーン・エネルギー」として「核融合の開発」を提言しています。核融合は「地上に太陽をつくる」研究といわれる実用化のメドが立っていない技術で、気候危機打開にはなりません。

 岸田首相は12日の参院本会議で、自民党の世耕弘成参院幹事長の原子力を「ベースロード電源として活用すべき」との質問に、小型モジュール型原子炉をはじめ、今後の取り組みが「きわめて重要」だと応じました。

 CO2排出の早急な削減を怠り、最悪の環境破壊を引き起こす原発依存をあらわにする自民党には、地球の未来は託せません。


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