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2021年10月23日(土)

日本共産党千葉県委員会・総選挙必勝全県決起集会での志位委員長の発言

 21日夜の日本共産党千葉県委員会・総選挙必勝全県決起集会で志位和夫委員長が行った発言の要旨を紹介します。


 みなさん、こんばんは。連日のご奮闘に心からの敬意と感謝を申し上げます。総選挙の現局面の特徴と、勝利のために何が必要かについて、3点について、お話ししたいと思います。

「自公VS野党共闘」が争点に――政権交代に最後までチャレンジする

写真

(写真)党千葉県委員会の全県決起集会で選挙情勢を訴える志位和夫委員長=21日、千葉県船橋市

 第一は、今度の総選挙で、私たちは、「野党共闘で政権交代を実現し、新しい政権をつくろう」と訴えてたたかっています。党の歴史で初めてのたたかいですが、これがいまどういう状況になっているかです。

 わが党は、総選挙に向けて、一貫してこのスローガンを掲げてたたかってきたわけですが、公示の次の日に各紙がどう報じたかというと、そろって今度の総選挙の対決構図は「自公VS野党共闘」だと書きました。「朝日」も「読売」も「毎日」も、これが対決構図だと書きました。NHKも「自公政権維持か、政権交代かが、総選挙の争点」と報じています。つまり私たちがずっと言ってきた争点が、客観的な争点になっているのであります。

 ここで大切なことは、野党共闘を一貫して推進してきたのが日本共産党だということは、かなりの方々に伝わっているということです。もちろん他の野党の方々、市民の方々、みんなで協力してやってきたわけですが、日本共産党が、野党共闘を一貫して、真剣に、ブレずに、誠実に取り組んできた政党だということは、かなりの方々に伝わっていると思うのです。こうして日本共産党が、ずっと頑張って主張してきたことが選挙戦の中心争点になった。これが、とても大事なことです。

国民のなかで情勢の大きな変動をつくりだす可能性はある

 それでは現在の情勢はどうか。今日、いろいろな世論調査が出ておりますが、率直に言って、まだ自民・公明と維新などの補完勢力を少数に追い込むところまでは行っていません。

 しかし、私は、あと9日間で、情勢を変えるチャンスはあると考えます。野党共闘の掲げている政策的大義、政権協力の姿が、広く国民に伝わり、その魅力を広げきるならば、国民のなかで大きな情勢の変動をつくる可能性はあります。

 その一つの証拠は、相手が、脅威に感じているということです。自民党の甘利幹事長は、たいへん熱心に、「今度の選挙は自由民主主義の政権を選ぶのか、共産主義が入ってくる政権を選ぶのか、体制選択の選挙だ」と言っています。

 私は、野党共通政策を、読んでくださいと言いたい。どこに「共産主義」と書いていますか。全く根も葉もない、的外れな攻撃ですけれども、こうした発言を繰り返すのは、野党共闘が自民党にとって現実の脅威となっているからです。脅威に感じるところまで追いつめてきた。

 そして、ずっと全国を歩いても、現場では、心が通う共闘がつくられています。今日は、宮城県と福島県で訴えてまいりましたが、宮城県では六つの選挙区のすべてで野党統一候補が実現し、うち二つは共産党が野党統一候補となっています。福島県では五つの選挙区のすべてで野党統一候補が実現し、うち一つは共産党が野党統一候補となっています。両県とも、わが党の演説会に立憲民主党からも国会議員など弁士が並んで立ち、「協力して勝とう」という共闘の熱気にあふれました。

 もちろん地域によってさまざまですが、全国各地で、現場からの共闘がさまざまな形で進んでいます。この流れを、最後まで広げて、最後まで政権交代にチャレンジし、新しい政権――野党連合政権をつくるために頑張りぬきたいと思います。(拍手)

ブレずに、誠実に、共闘を前進させる日本共産党の値打ちを押し出す

 そして、野党共闘との関係で日本共産党の値打ちをどうか伝えていただきたい。

 共闘を進めるうえで、日本共産党は二つの点をうんと大事にしています。

 一つは、「ブレない」ということです。共闘を進めるうえで、いろいろと妨害も起こります。難しい問題も起こります。そういう動きが起こっても、私たちは、絶対にブレないで、ここまでやってきました。自公政治を終わらせるという大局に立って、断固として共闘を発展させるという立場にたち、ブレることなく力をつくしてきました。こういうブレない党が、しっかりと伸びることが、共闘を発展させるうえで絶対に不可欠なのです。このことをどうか訴えていただきたい。

 それともう一つ、共闘を発展させるうえで大事なのは、「誠実」に頑張るということです。共闘というのは、政治的立場の違うものが一致点で協力するということです。ですから違いがあって当たり前です。違いがあったときにどうするか。お互いの違いはお互いにリスペクトし合う。これが大事じゃないでしょうか。私は、よく「ユニティー・イン・ダイバーシティー」=多様性の統一という言葉を使うんですが、多様性をお互い認め合いながら協力していく。これが一番強いと私は考えます。広い気持ちで、いろいろなことが起こっても小さな問題はのみ込んで、誠実に、どんな場合でも力をつくす党が必要です。

 ブレずに、誠実に、共闘の発展のために力をつくす党。この日本共産党の値打ちを、どうか広く訴えていっていただきたい。

比例代表選挙の特徴をよくつかみ活動の飛躍的発展をはかろう

 第二は、ここが今日お話ししたい核心部分ですが、比例代表選挙で日本共産党をどうしても躍進させなくてはなりません。私たちは今度の総選挙で、「比例を軸に」を、これまでのどの選挙にもなかったくらい中心に据えぬくことを確認して選挙をたたかっております。

主体的取り組みの到達、客観的可能性について

 現瞬間の状況がどうなっているか。私たちの主体的な活動――宣伝活動、組織活動の到達点と勢いがどうなっているかと言いますと、率直に言いまして、比例11議席が現有ですが、現有確保にも届いていない。これが私たちの判断です。

 月曜日(18日)の常任幹部会で突っ込んで議論しまして、その到達点はリアルに見よう、リアルに見て頑張ろうということを確認しました。これは月曜日の判断なのですが、現時点でもまだ現有確保に届いていると報告することはできません。私たちの主体的な運動のテンポ、勢いでは、そこに届いてない。

 同時に、客観的には伸ばしていく可能性はあります。今日、いろいろと世論調査も出ておりますが、客観的には全国の11の比例ブロックすべてで、議席を確保し、議席を増やす可能性が出てきている。ここで本当に力をつくしたら伸ばしうるわけです。

比例は1票を争う大激戦――いま活動の飛躍がどうしても必要

 ここで、比例ブロック選挙の特徴を、おたがいによくのみ込んで頑張ることが大事だということを訴えたい。参議院選挙の場合は、比例代表は全国1区ですから得票がそのまま議席に反映されます。ところが衆院選挙は全国11の比例ブロックですから、得票がそのまま議席に反映されないケースも起こってくるのです。

 南関東ブロックで考えてみますと、4年前の2017年の総選挙で畑野君枝さんが2議席目を獲得しました。しかし、あと1万2930票足らなかったら1人の当選にとどまりました。実はギリギリのところで2議席を確保したのが4年前です。それから、7年前の14年の総選挙では、斉藤和子さんまで3議席を確保したわけですが、斉藤和子さんもあと3万9765票足らなかったら当選できませんでした。17年の総選挙でいえば、南関東の1支部あたり9票足りなかったら畑野さんが落ちていた。14年の総選挙で言えば、1支部あたり26票足りなかったら斉藤さんが落ちていた。

 全国で言いますと、4年前の総選挙で、北海道ブロックでは、あと7634票、1支部あたりあと7票増やせば畠山和也さんは当選しました。近畿ブロックでは、1万5058票、1支部あたりではあとたった4票増やせば3議席目を獲得できた。こういう得票と議席の関係が生まれるのが、比例ブロック選挙の特徴なのです。

 現瞬間の状況は、11の比例ブロックのすべてで、そういう1票を争うせめぎ合いになっている。ここで活動を飛躍させれば、僅差の勝負を制して各ブロックで議席を確保し、増やすことができる。活動を大飛躍させれば、さらに躍進させることができる。がんばりが足らなければ、悔しい形で後退することも起こりうる。そういう状況にあります。

 全国11の比例ブロックのすべてで、ギリギリのたたかいに競り勝ったら倍増するわけです。その可能性もある。それはこれからの頑張りしだいなのです。

 ここで私たちの活動のテンポと勢いを、どうしても飛躍させることが必要です。活動の飛躍を。このことを心から訴えたいのです。

 活動の飛躍をかちとり、しのぎをけずる大激戦の比例代表で、勝利・躍進をかちとる最大のカギは、すべての支部とすべての党員の総決起です。残りの9日間、最後までみんなで力を振り絞って、頑張りぬいて、何としても比例代表で躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

政治論戦の圧倒的リードに自信と確信をもってたたかい抜こう

 第三に、訴えたいのは、日本共産党が、政治論戦で圧倒的にリードしているということです。訴えが届けば、国民の共感がぐんぐん広がっているのを感じます。

経済論戦の一番の要を握って、どんどん支持を広げよう

 3点ほど言いたいのですが、一つは、経済論戦です。

 岸田首相が「成長と分配の好循環」と言い出した。この議論にどう切り込んでいくか。「分配が先か、成長が先か」――ニワトリが先か卵が先かというような抽象的な議論は何の意味もありません。分配の中身がゆがんでいる。大金持ちと大企業が分配を独り占めにしてしまい、庶民の暮らしに分配が回らない。「トリクルダウン」は起こらない。これが問題なのです。そこをズバッと指摘しているのが共産党です。

 この批判からどういう結論になるか。「トリクルダウン」をやめて「ボトムアップ」に切り替えよう。庶民の暮らしの底上げで経済をよくしていこう。最賃をあげよう、消費税を下げよう。この議論になるわけです。まさに経済論戦の一番の要をにぎって、どんどん訴えていって、国民の願いにかなった政策をどんどん語り、自信をもって、党の支持を広げに広げぬこうということを訴えたいと思います。(拍手)

「四つのチェンジ」の新鮮さと豊かさ――若者に希望を広げる

 二つ目は、「四つのチェンジ」という訴えについてです。

 日本共産党のこれまでの選挙での政治論戦で、暮らしの問題と平和の問題を、常に重視してきましたし、今回も重視しています。同時に、今回の選挙では、さらに気候危機とジェンダーという、いまの世界の新しい大問題を、私たちは先駆的に取り上げて論戦の柱にすえました。

 これが、この間、選挙で訴えていましても、日本共産党の訴えに、新鮮さと豊かさとカラフルな色彩をあたえ、これまで訴えが届かなかった人々まで共感が広がるということを感じるのです。

 そしてこの新しい二つの問題は、選挙戦の大争点になりつつあります。

 気候危機への各党の姿勢が、選挙戦で問われています。NPO法人「気候ネットワーク」のみなさんが、各党の政策を「採点」したところ、日本共産党は満点の20点、自民党は最低の0点となったとのことです。この大問題が、政党選択の大きな物差しとなってきつつある。この点では「2030戦略」という抜群の政策を私たちが持っていることに、自信を持って訴えていきたいと思います。

 ジェンダー平等を、訴えの柱に据えたわけですが、民放で行われた党首討論では、どうやって男女の賃金格差を解消するかが討論の中心に位置づけられていました。この問題で、きちんとした政策を持っているのは日本共産党ですから、大いに訴えていくことができます。

 気候危機とジェンダーという二つの新しい問題に、先駆的に取り組み、一番先駆的な政策を持っている。この二つの問題は、若いみなさんに響くのです。この前、新宿で若いみなさんとトーク集会をやりました。そこでもジェンダー、気候などで、とっても共感が広がる。

 気候危機の問題で、南関東でオンラインのトークがあったのですが、そこで横須賀の学生さんで女性の方が参加して、こう言っていました。自分はグレタさんの話を聞いて、たいへんだと思って勉強しだした。そうしたら、「カーボン・バジェット」――残りの使える炭素がこのままでは6年分しかない。「自分は20歳だけど26歳で私の未来はおしまいなのかと考えたら、涙があふれて止まらなかった」と言うのです。若いみなさんは、そのぐらいこの問題を敏感に真剣に考えている。自分の未来がなくなってしまう。

 若いみなさんの未来を奪うような政治でいいのか、ということが、気候危機とジェンダーの問題では問われているのです。この二つの新しい大問題についても、私たちは先駆的な政策を持ち、本気で現状を変えようとしている。ここにも自信を持って、大いに語っていきたいと思います。

世界の流れに共鳴し、シンクロする日本共産党の政策

 三つ目に言いたいのは、私たちが掲げている政策が世界と共鳴し合っている、世界とシンクロしている、響きあっているということです。

 たとえば、私たちは、「新自由主義からの転換」を訴えています。この流れは、日本共産党だけじゃなくて、ヨーロッパでも起こっていますし、アメリカでも起こっているのです。バイデン米大統領は、外交政策には私たちは批判していますが、内政はずいぶん変化が起こっています。「1%の富裕層と米財界に公正な負担を。それに反対するなら一体どこから税金を取ってくるのか。アメリカのみなさん、トリクルダウンは失敗しました」。議会演説でこう言いました。私は、党首討論で、この言葉を紹介して、岸田首相に、「良いことは学んだらどうですか、ぐずぐずしないで」と言いましたが、そういう変化が起こっている。

 核兵器の問題もそうです。全米市長会議で「核兵器禁止条約を歓迎する」ことを求める決議が全会一致であがる。ノルウェーのような軍事同盟に参加している国でも、オブザーバーとして締約国会議に参加する動きが起こってくる。

 世界は大きく変わっている。そのときに、まったくそれが目に入らないのが岸田自公政権です。私たちこそ世界の本流に立っていま選挙戦をやっている。世界とシンクロして、世界と共鳴し合って、たたかっているということに誇りを持って頑張ろうじゃないかということを訴えたいと思います。(拍手)

歴史的チャンスをものにする活動の大飛躍を

 最後に心から重ねて訴えます。どうか、ここで活動の飛躍をつくっていただきたい。宣伝戦、組織戦、やるべきことは明瞭です。「折り入って作戦」でたくさんの協力してくださる方を広げていく。その活動のテンポ、勢いを、いまどうか飛躍させていただきたい。5倍、10倍に活動を飛躍する。これをやってはじめて勝つことができます。

 私たちの力でチャンスをものにできるかどうか、あと9日間で決まります。私たちの活動が及ばなかったら、せっかくの歴史的なチャンスがものにできなくなる。しかし、力をそそいで頑張りぬけば、31日には立派な結果が待っています。

 みんなで力を合わせて日本を変えるようなたたかいをやろうではありませんか。南関東がその先頭に立とうではありませんか。わが千葉県が先頭に立とうではありませんか。

 私も、全国を走り回って頑張ります。地元のみなさんのお力添えよろしくお願いいたしまして訴えとさせていただきます。頑張りましょう。(拍手)


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