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2021年10月19日(火)

ニコニコ動画「衆院選2021 ネット党首討論」

志位委員長の発言

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(写真)ニコニコ生放送「ネット党首討論」で発言する志位和夫委員長(右から2人目)=17日、東京都中央区

 日本共産党の志位和夫委員長は17日夜に行われたインターネット番組「衆院選2021 ネット党首討論」(ニコニコ動画)に出演し、総選挙の争点としてネットユーザーの関心の高かった経済・財政問題、外交・安全保障問題などについて、各党党首と討論しました。志位委員長の発言を紹介します。

新自由主義から転換を―暮らし応援で経済よくする

 各党首が基本的考えを示したのち、それぞれが自由に質問をぶつけあうクロストークを行いました。まず志位氏は基本的考えについて次のように表明しました。

 志位 弱肉強食の新自由主義からの転換が必要です。

 感染症のベッド、保健所を半分にしてしまったために医療崩壊が起こりました。ケアをしっかり支える政治にしていきます。

 労働法制の規制緩和を進めてしまって、非正規を増やしたために、その矛盾が噴き出しました。人間らしく働けるルールをつくります。

 最低賃金は時給1500円に引き上げる、消費税は5%に減税します。暮らしを応援して経済をよくしていきます。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、所得の落ち込みによって消費が低迷しているとして、アベノミクスの恩恵で利益をあげている企業や富裕層に相応の負担を求め、低所得者への分配をはかるとしました。

経済・財政問題―金融所得課税「先送り」の理由を示せ

 クロストークに入り、志位氏は岸田文雄自民党総裁に対し、岸田氏が分配政策の目玉と位置付ける金融所得課税の「先送り」を主張していることについて次のようにただしました。

 志位 岸田さんに質問します。富裕層優遇の金融所得課税の見直しをなぜ先送りするのでしょうか。順番が大切だと。まず賃上げのための税制だと言うふうにおっしゃいますが、なぜ順番が必要なんでしょうか。同時にやったらいいではないですか。

 一昨日の民放番組で私は、バイデン米大統領が「1%の富裕層に公正な課税を」と議会演説で述べたことを引いて、バイデン大統領を見習ったらどうですかとお話ししました。そうしましたら岸田さんは「順番を間違えると経済を壊してしまう」とおっしゃった。なぜ富裕層優遇の不公平税制をただすと経済が壊れるのでしょうか。ご説明ください。

 これに対し岸田氏は、「まずやるべきことは、みなさんの所得を引き上げるための民間への税制、あるいは公的な取り組みである。その先に財源とか、税収を考えていく、この順番を間違えてはならない。経済をまわしてこそ財政も考えられる」などと繰り返すのみ。富裕層優遇税制が経済を壊すということの「理由」を何ら説明できませんでした。

分配の中身がゆがんでいることが問題―再分配が必要との認識があるか

 志位氏は、岸田氏に対し第2の質問として、分配政策のゆがみについてただしました。

 志位 「成長か分配か」という議論がありますが、私は分配の中身がゆがんでいる。これが一番の問題だと思っています。

 この9年間で日本の大富豪の資産は6兆円から24兆円に4倍に増えました。一方で、働く人の実質賃金は22万円、年間で減りました。

 つまり、大企業と富裕層が分配を独り占めにしてしまっていて、庶民のところに分配が回っていない。これでは成長ができない。

 ここに一番の問題があると思うんですが、岸田さんは、分配の中身がゆがんでいるという認識がおありでしょうか。

 そして、そうであるならば、富裕層や大企業からとるべきものをとって消費税を減税する。つまり再分配が必要だという認識があるのでしょうか。(分配が)ゆがんでいる、そして再分配の必要性、どうでしょうか。

 これに対し岸田氏は 「分配について、自然に任せるというのでは、なかなかトリクルダウンは生じない」ということは認めましたが、「官民それぞれ役割分担をする中で、適切な分配を行う。そして、その分配はできるだけ幅広い分配でなければならない」などと述べるのみで、分配そのもののゆがみ、大企業や富裕層への応分の負担を求めることによる再分配の必要性について答えられませんでした。

外交・安全保障―核兵器禁止条約に加盟し、辺野古新基地建設は中止を

 次いで討論テーマは、外交・安全保障に移りました。志位氏は次のように表明しました。

 志位 核兵器禁止条約への参加を求めます。この間、全米市長会議がアメリカ政府に対して、核兵器禁止条約を歓迎することを求める決議を全会一致で採択しました。

 岸田さんは、核兵器保有国が参加していないということを理由に、日本の参加を拒否していますが、アメリカでこうした動きが起きていることを真剣に受け止めるべきだと思います。

 それから辺野古の新基地建設は、軟弱地盤の問題もあり完全に行き詰まっている。建設は中止して、普天間基地は無条件で撤去すべきだということも強く言いたいと思います。

首都直下型地震への備え―ライフラインの総点検、建物の耐震化、避難所の拡充を

 ネットユーザーから、首都圏を襲った震度5強の地震を受けて「首都直下型地震等への対応は十分なのでしょうか」との質問が寄せられ、志位氏は次のように答えました。

 志位 首都直下型地震の対応、現状は全く十分とはいえない状況だと思うんですね。私たちはとくに3点、強く求めています。

 一つはライフラインの総点検と強化です。公共交通、ガス、上下水道、ライフラインが老朽化しており、これは巨大開発の無駄遣いを改めて、公共事業はライフラインの強化など防災に最優先に充てるべきだと(求めています)。

 二つ目は、建物の耐震化です。病院、大規模施設、住宅の耐震診断と耐震補強を計画的に進めて、そのための財政支援を思い切って強める。

 そして三つ目は、避難所の拡充で、特に帰宅困難者のための避難所についても、早急に拡充を図ることを求めています。3点、いま求めています。

気候危機への対処、ジェンダー平等の実現も大問題

 最後に、「言い残したこと、これだけは訴えたいことは」と問われました。

 志位 今日の討論で議論にならなかった二つの問題。

 一つは、気候危機の打開。これを選挙の大争点にしていきたいと思います。2030年までに思い切った削減をやりませんと未来がないですから、これは緊急の行動が求められていると思います。

 もう一つは、ジェンダー平等の問題です。選択的夫婦別姓、男女の賃金格差の解消、あらゆる性暴力をなくしていく。ジェンダー平等を今度の選挙で大いに訴えていきたい。

 暮らし、気候、ジェンダー、平和。この四つの大きなチェンジを求めていきたいと思います。


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