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2021年10月14日(木)

大規模パーティー14回

岸田首相、大臣規範破り

外相在任中 総額3億円近く 本紙調べ

 大規模な政治資金集めパーティーは自粛することを定めた「大臣規範」に反して、岸田文雄首相が安倍内閣の外相在任中に14回もの大規模な政治資金パーティーを開いていたことが13日、本紙の調べでわかりました。「特技は『人の話をしっかり聞く』であります」という岸田首相ですが、ルール破りの姿勢からみると疑問符がつきます。(矢野昌弘)


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(写真)岸田首相が外相時代に複数回、大規模な政治資金集めパーティーを開いた高級ホテル=東京都港区赤坂

 岸田首相は、2012年12月から17年8月まで外相をつとめました。

 その間、新内閣発足や改造直後の初閣議では毎回、「大臣規範」の順守が菅義偉官房長官(当時)から呼びかけられていました。

 「大臣規範」では「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」と定められています。

 岸田首相は、内閣改造のたびに開催された初閣議での5回と、「規範」の改正を決めた閣議の計6回で「規範」が議題にのぼっていました。

 ところが岸田首相の資金管理団体「新政治経済研究会」は外相在任中に、政治資金規正法で「特定パーティー」と呼ばれる収入が1000万円以上となるパーティーを14回も開いていました。その収入は総額3億円近くになります。

 例えば、2016年8月3日に第3次安倍第2次改造内閣が発足し、岸田首相は外相の続投となりました。

 その時の初閣議でも菅官房長官が「これを順守されるようお願いします」と発言していました。その場で聞いていた岸田首相ですが、4週間後の8月31日に東京都内で「衆議院議員岸田文雄と国政を語る会」を開催。2183万円余の多額の収入を得ています。

 話を聞いても、無視して強行するのでは、「人の話をしっかり聞くこと」が“特技”とはいえそうにありません。

 本紙の取材に、岸田首相の事務所からは13日夕方までに回答がありませんでした。

 岸田首相が外相だった第2次安倍内閣では、「3A」と呼ばれる安倍晋三首相(当時)や麻生太郎財務相(現、自民党副総裁)、今は自民党幹事長の甘利明経済再生相(同)も大規模なパーティーを開催しています。


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