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2021年10月1日(金)

党首会談での合意を受けて

志位委員長の記者会見

 日本共産党の志位和夫委員長は30日、立憲民主党の枝野幸男代表との党首会談での合意を受けて記者会見し、記者の質問に答えました。冒頭の発言と一問一答を紹介します。


 立憲民主党・枝野代表との党首会談についてご報告します。たいへん重要な合意を得ることができました。

枝野代表から総選挙にのぞむ基本的立場についての提案

写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長=30日、国会内

 冒頭、枝野代表から、いよいよ総選挙で国民のみなさんに審判を仰ぐべき時期が来た、どういう形で選挙にのぞむかについて、ご提案がありました。

 まず選挙にのぞむ基本的な立場について、次のような内容を合意していこうという提案がありました。

 「両党は以下の点を協力することで合意した。

 1、次の総選挙において自公政権を倒し、新しい政治を実現する。

 2、立憲民主党と日本共産党は、『新政権』において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する。その際、日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする。

 3、次の総選挙において、両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す」

市民と野党の共闘を大きく発展させる画期的な内容

 これに対して、私は、「全面的に賛同します」と表明するとともに、「枝野代表の決断に敬意を表します」と申しました。そしてこういう表明をいたしました。

 「今回の党首合意は、全体として、市民と野党の共闘を大きく発展させる、画期的な内容になったと思います。とくに『新政権』において両党が協力していくことが合意されたことは、きわめて重要な前進です。こうした合意を得たことを心からうれしく思っています。

 日本共産党にとっては、99年の歴史のなかで、こうした合意を得て総選挙をたたかうのは初めてのことになります。2015年9月に、国民連合政府を呼びかけてから6年間、野党が協力して新しい政権をと訴えてきましたが、それに向けて大きな一歩を踏み出す合意を得られたことを、重ねて心から歓迎します。

 『限定的な閣外からの協力』という合意になりましたが、わが党は、一貫して、『閣内協力も、閣外協力もありうる』と言ってきましたが、ですからこうした合意になったことに、とても満足しています。『限定的な閣外からの協力』ということですが、『新政権』において、実現のために協力することを合意した政策――市民連合と合意した政策は、あれこれの部分的な政策ではありません。9年間の安倍・菅自公政治をチェンジする要となる政策がしっかりもりこまれています。『新政権』において、そうした政策を実現するために協力することが合意された意義は、たいへんに大きいと考えます。

 わが党は、この合意を力に、協力して選挙に勝ち、政権交代を実現し、新しい政権をつくるために全力をあげます」

 こういう表明をいたしました。

首相指名選挙、臨時国会での予算委開催でも協力を確認

 党首会談では、枝野代表から、10月4日に行われる首相指名選挙において、枝野氏への投票の要請がありました。私は、こういう合意が得られた以上、当然、枝野代表に投票するとお答えをいたしました。

 さらに、枝野代表から、臨時国会においては、本会議での代表質問にとどめず、予算委員会をしっかり開いて、一問一答で国政の争点をあきらかにして、国民の審判を仰ぐべきだということを、党首レベルでも発信したいという提案がありましたが、私からは、これも全面的に賛成だと述べ、この点でも一致を確認いたしました。

 市民と野党の共闘にとっても、わが党にとっても、非常に重要な、画期的な合意が得られたことを、私としては心から喜んでいるところです。ぜひこれを生かして選挙に勝ちたい。自公政権を倒して新しい政権をつくりたい。こういう決意をかためているところです。

選挙協力をどのように進めていくのか

 記者 今回、政権のありかたについて合意を得られたということで、残るは候補者の一本化にむけた調整だと思うんですけれど、そのあたりはどのように進めていくのか。

 志位 選挙協力については、党首合意のなかでこうあります。「次の総選挙において、両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す」。お互いの立場を理解・尊重しながら、一本化したところでは勝つために協力するという合意が得られたわけです。

 ここがたいへんに大事なところであり、すでに立憲民主党との間で、候補者が、事実上、一本化されているところはだいぶあります。ただ、そこにおいて、協力して選挙に勝とうという合意はまだなかったわけです。今日の党首合意において、一本化したところは、双方の立場を理解・尊重しながら、協力して選挙に勝とうと合意したことは、選挙協力のうえでも非常に大きな前進だと思っております。

 そのうえで一本化する選挙区をさらに増やしていくための協議にも積極的にとりくんでいきたいと考えております。

「新政権」における協力の中身――「市民連合と合意」した政策と具体的に確認

 記者 閣外協力ということについて、もう少し具体的におうかがいしたいんですけれども、先ほどの会談のなかで、それについて具体的なものがあったのかどうか。

 志位 先ほど読み上げたのが合意の内容ですが、両党が、「『新政権』において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する」。これが合意なのです。たいへんに具体的に確認しております。

 その際に、日本共産党は閣外から協力するということです。閣外協力ですから、わが党から閣僚を出すということはいたしません。問題は、政治の中身を変えること――これが一番大事なわけです。私たちが、「閣外でも閣内でもどちらもありうる」と言ってきたのは、政治を変える中身が明確になっていれば、それが一番大事だという立場からなんです。そういう点で、今度の党首合意では、「市民連合と合意した政策」を実行するために協力すると確認しています。これは非常に明瞭なわけです。市民連合との合意というのは、国政のさまざまな分野――六つの柱、20項目で、安倍・菅政治のチェンジの要になる大事な内容を合意しているわけです。ですから、協力の中身は、たいへん具体的に確認しており、この合意に、たいへん満足していると表明したわけです。

 「限定的な閣外協力」ということは、協議の結果の一致点でそうなったということです。今お話ししたように、私たちは、最初から、閣内じゃないといけないなどとは、一度も言ってないんです。日本の政治が変わればいいわけですよ。私たちは、大臣のポストがほしくてやっているわけではない。日本の政治が変わればいいわけですね。そういう点では、今回の党首合意というのは、日本の政治の大事な中心的な問題で協力しようということになったわけですから、私はこれで十分だと満足しております。

画期的とはどういう意味か――政権協力の合意ははじめてのこと

 記者 市民連合と合意した政策というのは実現をめざすものですよね。政権交代をしたら実現をめざして協力するのは当たり前のことですよね。それに合意したということがどこが画期的なんですか。

 志位 市民連合とは、共通政策を「共有して戦い」、その政策を実行する「政権の実現をめざす」ということは合意しました。ただ、新しい政権がつくられたとして、日本共産党の協力がどういう形態になるのか、その姿は、まだ合意がなかったわけです。閣内協力になるのか、閣外協力になるのか、日本共産党がそもそも協力する政権になるかどうかも、これまでは合意がなかったわけです。日本共産党も協力する新しい政権をめざしていこうということは、この合意がはじめてなのです。画期的だといったのはそういう意味です。

「新政権」ができた場合の日本共産党の対応はどうなるのか

 記者 そうしますと、それ(市民連合と合意した政策)以外の法案とか政策についてはどういう対応をとることになるのでしょうか。

 志位 「新政権」ができた場合のわが党の対応は、まず、合意した政策の実現のために、「新政権」を全力で支え、協力していく。合意した政策を実行するうえで、さまざまな妨害や抵抗もあるでしょう。それとはたたかっていく。これは当たり前のことです。

 その他の課題については、党として独自に判断しますが、協力できるものは最大限協力していくことは言うまでもありません。

 さらに、日本共産党としての独自の積極的な提案もしていきたい。

 「新政権」ができたら、こういうスタンスでのぞみたいと思っています。

 記者 これまで共産党から立憲民主党に対して政権構想のあり方を明らかにすることが、選挙協力をさらに強力にやっていくために必要だとおっしゃっていて、今回の合意でそれは得られたということですか。

 志位 そういうことです。私たちは、今回の党首合意をもって、政権協力についての前向きの合意が得られたと考えています。

候補者の一本化――与野党が競り合っているところを中心に行う

 記者 候補者の一本化について具体的にお尋ねしたいんですけど、立憲民主党と共産党とでぶつかっているのは70選挙区ちかいと思うんですけど、それについても大幅に一本化を進めるということでよろしいんでしょうか。

 志位 これは以前、この問題について、枝野代表とも会談して合意しているんですけれども、与野党が競り合っている選挙区――つまり一本化すれば勝てる選挙区を中心に一本化しようというのが合意なのです。全ての選挙区で一本化しようというのは、お互いに考えていません。先方も考えていないでしょうし、私たちも考えていない。わが党については、比例代表選挙との関係でも、一定数の候補者を擁立しなければならないという事情は当然ありますし、先方もそれは理解しています。そして、強調しておきたいのは、すでにかなりのところで事実上の一本化がされているということです。党首合意で、そこではできるだけ勝利のために協力してたたかおうと合意したということが大事なところなのです。

 記者 おっしゃるように立憲の現職が出ているところは9割方一本化が進んでいるというのでそうだと思うんですけど、今日の合意を得て、さらにもっと一本化が必要だという認識でよろしいんですね。

 志位 それはその通りです。冒頭述べたように、一本化する選挙区をさらに増やしていくための協議は積極的にやりたいと思っております。

今回の党首合意と野党連合政権について

 記者 今回合意になった内容は、共産党が主張されている野党連合政権ということなのでしょうか。

 志位 私たちは、野党連合政権について、「閣内協力も、閣外協力もありうる」と言ってきました。今回合意された内容は、私たちとしては、わが党が提唱してきた野党連合政権の一つの形態だと考えています。


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