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2021年8月8日(日)

五輪バス運転手 環境劣悪

関係者が証言

防護服など感染防止用具が不足 感染疑い 各自ハイヤーで病院へ

 24時間体制で東京五輪・パラリンピック関係者の輸送を支えるバスドライバーの劣悪な宿泊環境が問題になっています。東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センター(1100人)内の関係者Aさんが、五輪組織委員会のお粗末な運営について本紙に証言しました。(遠藤寿人)


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(写真)センターのエレベーター内の張り紙。バスマットがセルフ交換で数量にも限定が…(提供写真)

 五輪組織委員会から委託を受けた近畿日本ツーリスト首都圏が作成した「バスドライバー宿泊運営マニュアル 運営(案)」(2021年6月28日)。この中に「ドライバー宿泊 コロナ対策(案)」の項目があり、感染防止対策などが記述されています。

 フロントなど「接触感染リスクの高い受付では手袋を着用し、フェイスシールドの着用も検討する」としています。実際、手袋はここにきて届きだしましたが、フェイスシールドは支給されていない状況です。

 同マニュアルには「対応するフロントスタッフは、感染予防の措置を施した上で感染疑い者の対応を行う」と書かれています。

 新型コロナウイルスへの感染が疑われる人が出たら、複数ある宿泊棟のうち、B棟のある部屋に隔離することになっています。しかし、防護服は最初から勘定に入っていません。「疑いがでたら各自ハイヤーで病院へいってもらえ」というのです。Aさんは「ドライバーを人間とみていない、一つのコマとしかみていない」と怒ります。

 一番問題なのはタオル、バスタオル、フェイスタオル、シーツなどリネン類です。5日に1回の交換が続いていました。五輪組織委員会は「五輪需要でタオルが足りない」として6日目の交換を徹底してきました。この間、本紙などマスコミでの批判が高まり、シーツとバスマットはその都度交換になりましたが、バスタオルの毎回交換は実施されていません。

 A棟のお風呂はシャワーが二つ。B・C棟は共同大浴場。使用時間が午後5時から午後10時半まで。この時間帯に入れないとA棟に行きます。A棟は混雑します。さらに午前6時から午前9時までは清掃時間。この時間帯に帰ってきたドライバーは、シャワーを浴びることもできません。

 「あまりにも対応がひど過ぎる。『人の命を運んできて何でこんな処遇をうけるのか。ここは収容所だ』というドライバーの言葉が胸に響く」と憤ります。


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