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2021年7月30日(金)

五輪バス乗員荷物を検査

組織委通知 プライバシー侵害

宿舎周辺のコンビニ利用も制限

 東京五輪・パラリンピックの大会関係者を輸送するバス乗務員の宿舎に酒類の持ち込みを禁止するとの理由で、五輪組織委員会が出入りの際に荷物検査をすると通知したことが29日、分かりました。乗務員のプライバシーを侵害する行為です。(遠藤寿人)


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(写真)五輪選手村敷地内に並ぶ大型バス=21日、東京都中央区

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(写真)「荷物の確認をさせていただきます」と記された通達の記載事項(提供写真)

(拡大図はこちら)

 宿舎の国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)で27日、乗務員の各部屋に配られた「施設利用のルールについて(お願い)」と題する通達に明記されたもの。

 通達によると、宿泊中の乗務員と近隣住民との間で「トラブルとなる事例が発生しました」といいます。そのため厳守すべき事項を3点列記しています。

 (1)施設内、近隣地域での喫煙、ごみのポイ捨て禁止(2)アルコール(酒類)の持ち込み禁止(3)不要不急の外出を控え、外出時には必ず外出時記入シートに記入する―となっています。

 酒類の持ち込みについては「出入りの際に、荷物の確認をさせていただきます」と、乗務員のプライバシーを侵害する行為が記載されています。

 食事の購入については、宿舎から離れた「デポ(車庫)周辺のコンビニ等を利用していただく」と記述。宿舎内にあるコンビニや食堂などは閉店時間が夕方で、深夜帰宿する乗務員には利用できません。やむを得ず利用してきた宿舎周辺のコンビニの利用を事実上、禁止する内容になっています。違反した場合は、所属バス会社に報告するとしており、乗務員を“おどす”文言も記載されています。

ホテル確保すべきだ

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 日本共産党の山添拓参院議員の話 バス運転手は全国から集められ、長い人は数週間の滞在と聞きます。食料や身の回りの物を買うために出かけることは「不要不急の外出」とはいえません。荷物を確認するのもプライバシーを侵すもので行き過ぎです。シーツやバスタオルの交換が5日に1回しかなく、共用の洗面所で感染リスクがあるなど、研修施設での長期滞在自体に課題があります。組織委はホテルを確保し対応すべきです。


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