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2021年7月23日(金)

鼓動

サッカー男子南ア戦 予定通り実施

公平な競技環境 既に崩れる

 サッカー男子1次リーグA組の日本―南アフリカ戦は22日、南アフリカ代表に感染者が出るなか、予定通り行われました。

 南アフリカは18日、選手2人、スタッフ1人の陽性が判明。これは選手村に滞在している選手で初の感染例でした。その後、同代表の選手ら18人が濃厚接触者となりました。ところが、大会組織委員会は試合開始6時間前の検査で陰性なら出場を可能とするルールを定め、試合を実施しました。

 南アフリカ代表は19日から練習を再開しました。しかし、ノトアン監督は試合前の会見で「とても厳しい状況。これはサッカー以上のものになる。われわれは物理的に不利な状況に置かれているからだ」と話していました。直前に追加招集された選手を除くと、万全の状態で臨めるフィールド選手は12人しかいないといいます。

 コロナ感染によって、たたかう条件が変わってしまう。フェアな競技大会の前提は早くも崩れました。

 濃厚接触者の出場可否について、組織委が決めたルールにも懸念が残ります。新型コロナは当初から潜伏期間の長さと無症状感染が指摘されています。これまで比較的感染を抑え込んできた国内のプロ野球やサッカーのJリーグでは、濃厚接触者は出場できません。

 組織委が陽性となった選手や関係者の国名などを非公表としていることも問題です。感染者や濃厚接触者の情報は対戦相手にも知らせません。今回、南アフリカ選手の感染が発覚したのも同代表の発表がきっかけでした。これがなければ、日本代表は対戦相手に濃厚接触者がいることを知らずに試合に臨んでいた可能性もあります。

 感染のリスクを選手に負わせるようなやり方は“安心安全な大会”とはいえません。(宮井貴光)


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