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2021年7月22日(木)

全国都道府県委員長会議

志位委員長の中間発言

 20日の全国都道府県委員長会議で志位和夫委員長が行った中間発言は次のとおりです。


写真

(写真)発言する志位和夫委員長=20日、党本部

 みなさんこんにちは。

 まず、この間の東京都議会議員選挙勝利のための全国のみなさんのご奮闘、そして総選挙躍進をめざす連日のご奮闘に対して、心からの敬意と感謝を申し上げます。

 私は、7月と8月の活動の死活的意義について発言したいと思います。

7・8月――党の命運を左右する死活的意義をもつ時期になる

 今日の会議の主題は、幹部会報告で述べたように、「8月末まで」という期限を区切って、「二つの目標」――第一に、大量宣伝と1千万対話に取り組み、得票目標実現に必要な支持拡大をおこなうこと、第二に、党員と「しんぶん赤旗」読者で前回総選挙時比回復・突破をはかること――この「二つの目標」を掛け値なしにやりぬくことを全党の固い決意にする、これが今日の会議の主題であります。

 これをやりぬく7月と8月の活動の意義はきわめて大きなものがあります。一言で言って、党の命運を左右するような死活的意義を持つ時期になるということを、お互いの共通の決意にして、頑張りぬきたいと思います。

 私は、そのことを三つの角度から述べたいと思います。

総選挙勝利にとって、正念場中の正念場になる

 第一は、何よりも総選挙の勝利にとって正念場中の正念場になる時期だということです。

 解散・総選挙の時期については、幹部会報告でも述べたように、「9月以降いつでもありうる」ということです。これは任期満了を考えても当たり前のことです。まさに決戦の時が待ったなしと、迫ってきました。もう先に延びるということはないわけで、「9月以降はいつでもありうる」、これが解散・総選挙の時期であります。

 ここで私が強調したいのは、総選挙のたたかいは、「解散になってから本気になる」という取り組みでは勝てない、ということです。これまでの総選挙の私たちの取り組みは、率直に言いまして、「解散になってから本気になる」ということも少なくありませんでした。そういう取り組みを余儀なくされた突発的選挙もありました。しかし、今度の選挙はそれでは勝てません。

 とくに、「共闘の時代」の選挙で、共闘勝利と党躍進という二つの仕事をやりぬこうとすれば、解散までに、どういう取り組みをおこない、どういう態勢をつくり、そしてどういう政治的流れを私たちが主導的につくり出して、選挙本番を迎えるかが、文字通り勝敗を決するということを言いたいと思います。

 そのことを深く突っ込んで明らかにしたのが、2017年12月の第27回大会3中総でした。3中総では、総選挙での残念な後退という結果を踏まえて、「共産党だから支持する」という積極的支持者を増やすこと、党の自力をつけること、この二つの活動を、早い段階からやってこそ勝利の道が開ける。このことを明らかにしました。

 この決定を踏まえ、昨年12月の2中総は、「総選挙躍進特別期間」をよびかけ、私たちは、この運動に12月から5月まで取り組んだわけです。

 「特別期間」では、幹部会報告でも述べたように、400万を超える対話、11の比例ブロックでのオンライン演説会、2000人を超える新しい同志を党に迎えるなどの貴重な成果を、全党の奮闘であげました。ただ、なお目標の実現までには大きな距離がある。これが私たちの現状です。

 そういう到達を踏まえて、7月・8月にどう頑張るか。常任幹部会で突っ込んで検討しました。それをふまえ午前中の幹部会でも議論しました。私たちが到達した結論は、総選挙勝利にむけたカギは、都議選の教訓の中にあるということでした。全党の奮闘でつくった都議選から教訓を引き出して、それを総選挙の取り組みに大規模に、そして発展的に生かそうではないか。これが、今日の幹部会報告の提起の中心であります。

幹部会報告の提起の二つのカナメ――本気の目標、二重の構え

 幹部会報告の提起には、端的に言って、二つのカナメがあります。

 第一のカナメは、目標を本気の目標にすることです。

 都議選で、難しい選挙を勝ち抜いた経験、たとえば文京区、日野市、八王子市などの経験に、私たちは学びました。そうしたら選挙に勝つには、前回の1・5倍の規模での取り組みをやる必要がある、そのことを本当に党組織全体の共通の決意にして、その具体的戦略と手だてがたてられ、懸命の実践が展開されている。

 今度は総選挙の場で、そういう本気の取り組みをやろうじゃないか。政治目標・得票目標を本気で、責任をもってやりぬく目標にしようではないか。生きた目標として魂を入れようではないか。そしてそれを何よりも一つひとつの支部の固い決意とし、機関の決意にもして、具体的戦略をたて手だてを取り切ろうではないか。都議選で立派な成績をおさめたところでは、現にそういうことをやっているわけです。今度は、「全国は一つ」の比例を軸にした総選挙で、全国的規模で展開をする、そのための自覚的な取り組みをやろうではないか。ここに幹部会報告の提起の第一のカナメがあります。

 第二のカナメは、幹部会報告で強調したように、「いまの自力でも勝利するための活動」に思い切って取り組みつつ、「自力そのものをつける活動」に力を注ぐ――二重の構えでの活動をやろうということです。これは今日の討論でも、「現状にかみ合った方針だ」という発言が続いていますが、党の実情を踏まえてこういう提起をいたしました。

 これも都議選の取り組みから学んだものです。都議選のたたかいの現場では、多くの場合、率直に言って、自力が後退しているという現実があります。後退しているもとでいかに勝つか。そこを真剣に考えた場合に、まずは「いまの自力でも勝利するための活動」を、現場で探求し、編み出した。その最大のポイントは「折り入って作戦」に活路を見いだすということであったわけです。

 総選挙では、これを大規模に発展させよう。目標も具体的に提起しました。300万の担い手を7月・8月でつくるということです。これをつくれば、「850万、15%」の土台ができる。

 同時に、「自力そのものをつける活動」に取り組む。党員と読者で前回比回復・突破、これにも正面から挑んで、新鮮な活力を党に迎えつつ選挙をたたかう。自力をつけてたたかうという活動を、一体的に、そして独自に追求する。党勢拡大はもっとも困難な活動です。前回比回復・突破は、容易ではない目標です。同時に、「支部が主役」に徹すれば活路も見えてくる。この課題に正面から挑戦し、独自に推進の手だてをとる。

 こうした二重の構えに立ってこの期間を頑張りぬこうということが、もう一つのカナメであります。

 目標を本気の目標とすることと、二重の構えに立って頑張りぬく――この二つのカナメをしっかりと握って、7月・8月を、総選挙勝利のための正念場中の正念場として、あと42日間ですが、一日一日が宝物のように大事な時期になると思うので、頑張りぬきたい。これがまず強調したい点であります。

コロナから国民の命を守るうえで、大きなヤマ場の時期になる

 第二の角度は、7・8月の客観的情勢を考えてみた場合に、不確定の要素も多々あるわけですけれども、コロナから国民の命を守るうえで、大きなヤマ場の時期になる、このことは間違いありません。

 感染拡大が、非常に深刻な事態になっています。デルタ株という感染力が非常に強い変異株がまん延するもとで、非常に深刻です。政府の分科会からも「これまででも最大のヤマ場になる」という発言が出るなど強い危機感が発せられています。

 ところが政府には、まったく危機感がない。逆に、思考停止のまま五輪を強行するという姿勢が感染拡大の悪化に拍車をかける、こういう状況が日々展開しています。同時に、そういう無責任な暴走が日々いろいろな矛盾を拡大し、国民の怨嗟(えんさ)の声が日々広がるという事態が起こっているわけです。

 そういうもとでの私たちの政治姿勢でありますが、幹部会報告でも述べたように、今後どういう展開になったとしても、「五輪より命を」、「五輪を中止し、コロナ対策に集中を」、この主張を貫きます。かりに五輪開会が強行されたとしても、わが党は揺るがずこの立場を貫いて頑張りぬく、この決意をしっかり固めて奮闘したいと思います。

 今日(20日)の「しんぶん赤旗」で、ライターの武田砂鉄さんが、たいへんに印象深い一文を寄せています。

 「やるべきではないものを強引にやろうとしているのだから、いつになっても『止(や)めろ』と言えばいいし、始まっても終わっても『止めるべきだ』『止めるべきだった』と言えばいい。どうせやるのだから、何を言っても無駄だよ、と言う人がいる。そうやって、言っても無駄、と引き下げる行為こそ無駄だと思う」

 本質をズバリ突く発言です。その通りだと思います。こういう姿勢で、私たちもこの時期、頑張りぬきたいと思います。

 「五輪より命を」という政治姿勢は、決して都議選での一過性のものではありません。この主張の根本にある考え方は何かといったら、「国民の命を何よりも大切にする」という考え方です。国民の命を何よりも大切にし、国民の命を守るためには、どんなタブーもなく言うべきことは主張し、その実行を求めていく。こうした「国民の命を何よりも大切にする」という政治姿勢が、都議選で評価されたのだと思います。こうした政治姿勢は、今後、五輪開催にかかわる問題が、どのように展開しようと、ますます重要になってくることを肝に銘じて奮闘しようではありませんか。

 コロナ対策自体についても、ワクチンの安定供給、大規模検査、十分な補償、医療機関への支援など、ほんらい政治がやるべきことがやられていないわけですから、それを責任をもってやりなさいという主張を貫いて、この時期、頑張りぬく必要があります。

 そういうまさに国民の苦難を軽減し、安全と命を守るという、今年で99周年を迎えるわが党の立党の精神に立った取り組みと一体に、「二つの目標」をやりぬく。そういう時期になってくると思います。

 こうして、今後の情勢の展開というのは、いろいろな要素で予断を持って言えない面があるのですけれども、7・8月は、たいへんに激動的な情勢の展開になってくると予想されます。その時に、いま述べたような政治姿勢で頑張りぬくということが、わが党に求められているし、そういう立場でお互いに力を尽くしたいというのが第2点目です。

都議選勝利の政治的流れを、絶対に中断させず、さらに発展させる

 第三の角度は、7・8月に、東京都議選での勝利の政治的流れを絶対に中断させず、さらに発展させる――“流れを発展させる”ということがとても大事であります。

 東京の田辺都委員長は、「東京の政治状況は選挙によって一変した。いまの東京は2カ月前の東京とは変わっています」と発言しました。私は、それは東京だけではないと思うんです。大阪の柳府委員長が、「都議選の結果を見て、ある支部では、月1回の行動だったのを週1回の行動にしようと自発的に決めた」、大阪も負けてられないという取り組みが自覚的に発展しているということを報告しましたが、東京の結果は、全国の政治的な空気を変えていると思います。

 私は、都議選の勝利というものは、東京都党組織と候補者のみなさんの献身的な大奮闘を土台にしながら全国の団結の力で勝ち取ったわけでありますが、二重の意味で、総選挙勝利の条件をつくり出したと思います。

 一つは、いま述べたように、日本共産党と国民との関係を大きく前向きに変えた、政治的な空気を変えた、これが一つです。

 もう一つは、都議選を全国の同志がともにたたかったわけです。ともにたたかったことで、全党に喜びが伝わっています。確信が伝わっています。同時に、一緒にたたかったことで、東京の取り組みにもこういう問題点があるのかということも多くの同志が肌身で感じたと思うんですね。そういう問題点も共有した。喜びも共有したし、問題点も共有した。

 そうした全党が共有した認識を踏まえて、打開の道を示したのが今日の幹部会報告です。まさに、都議選勝利が、二重の意味で総選挙躍進に向けた道を開いたわけですから、これを、せっかくつくり出した流れですから、絶対に中断させないということがとっても大事です。せっかく上げ潮の流れをつくり出したのですから、この7・8月に、絶対に中断させずに発展させる、これがこの時期に強く求められています。

これまでの苦労が実るかどうかの本当に大切な時期

 以上、三つの角度から話しましたけども、この7・8月は、これまで苦労してきたことが実るかどうかの、本当に大切な時期になります。

 昨年1月の第28回党大会で総選挙に向けた大方針を決め、12月の2中総で「特別期間」を提起して取り組んできた。コロナ危機が続くもとで、いろいろな苦労をされながら、全党の同志が取り組んでこられたと思うんですね。そういうなかでもいろいろな貴重な成果もあげた。しかし、なお目標実現には届いていない。最後の仕上げをどうやるかという本当に大事な時期になります。

 この時期を本当に有効に使って、この時期の頑張りで総選挙勝利の道を開いたと後で記録されるような頑張りを、お互い、暑い夏で、コロナ危機が続くもとですから、健康にも留意しつつ、休みもてきぱきと適切にとっていただいて、力をあわせて、この大事な夏を頑張りぬいて、勝利につなげていきたいということを述べて発言といたします。ともに頑張りましょう。


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