2021年7月16日(金)

「黒い雨」訴訟　人道的で画期的な判決

志位氏　上告断念求める

　日本共産党の志位和夫委員長は１５日の会見で、「黒い雨」訴訟で広島高裁が原告勝訴の判決を出したことへの受け止めを問われ、「被爆者援護行政の根本的な見直しを迫る、人道的で画期的な判決だ。わが党として高く評価したい」と述べ、政府に上告断念を強く求めたいと表明しました。

　志位氏は、判決について「原告団をはじめとする長年のたたかいが実ったものだ」と強調しました。これまでの国のやり方は、科学的根拠のない線引きを持ち込み、被爆者援護・救済の対象を狭く抑え込むことが特徴だったと指摘。「こういうやり方はもうだめだと断罪された。そういう意味で非常に画期的な判決であり、『身体に原子爆弾の放射能による影響を受けるような事情の下にあった者』を広く救済するという被爆者援護法本来の理念を踏まえた人道的判決だ」と語りました。

　その上で、「政府がこれ以上、これまでの方針にしがみついて、苦痛を長引かせるということはあってはならない」と述べ、上告断念を強く求めました。