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2021年7月2日(金)

サッカー南米選手権 関係者200人陽性

利益優先 命軽視に批判

 新型コロナウイルスが猛威をふるうブラジルで強行開催されているサッカー南米選手権(コパ・アメリカ)で6月末までに、関係者に200人近い陽性者が発生しています。利益優先で命を軽視する主催者の姿勢に選手の中からも厳しい批判の声が上がっています。


 コパ・アメリカは6月13日に開幕し、4都市で参加10カ国による予選リーグが無観客で行われてきました。報道によると、ブラジルは感染拡大が続いており、各国選手や関係者と一般市民を切り離す「バブル方式」も不完全な事例が次々発覚しています。

 28日にブラジル保健相が発表したデータによると、開幕から同日までに大会関係者に約3万件のPCR検査が行われ、198人の陽性者が見つかっています。その内訳は10カ国すべての代表チームの選手・関係者57人、宿泊施設などのサービス提供業者従業員137人、主催者の南米サッカー連盟要員4人です。

ゴールより多い

 予選リーグ20試合でのゴール数は46。メディアは、「陽性者はゴール数より多い」と皮肉まじりに報道。連盟幹部は開幕時より、陽性率が下がっているとして、対策を自画自賛しています。

 一方、サンパウロ州立の医療機関ブタンタン研究所のディマス・コバス所長は29日、外国メディアで「陽性者の数字は、大会開催の決定が誤りだったことを示している。重大な結果を引き起こしかねない」と発言。陽性が判明し隔離されたボリビアのFWマルセロ・マルティンス選手はSNSで「一人でも死者が出たら、どうするつもりだ。彼らにとって大事なのはお金だ。選手の命はなんの価値ないというのか?」と怒りのコメントを投稿しています。

「恐れなす」日本

 サンパウロ発行の邦字紙ニッケイ新聞24日付のコラムは、五輪開催反対の運動が強まる日本との関係で、コパ・アメリカでの陽性者数に「恐れをなす」日本の「ネット上の声」に注目。「それ(コパ・アメリカの事態)は無観客試合で、開催地も限定される中で起こったこと。日本はブラジルより感染者数、死者数こそ少ないものの、(五輪では)100カ国を超える国が数多くの競技を行い、観客を入れることも考えられているわけだから怖くて当然かも」と述べています。


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