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2021年6月21日(月)

五輪入国 特例づくし

組織委・政府が調整

変異株流行国選手の隔離 短縮

 従来の新型コロナウイルスより感染力の強いとされるデルタ株やアルファ株が、国内で広まることが懸念されています。そんな中で、東京五輪・パラリンピック組織委員会と政府が、それらの流行地から入国する選手の国内待機期間を特別に短くするよう調整していることが20日までに分かりました。

 厚生労働省によると、デルタ株が見つかったインドや周辺から入国する場合、検疫所が確保した宿泊施設で10日間の待機が求められます。施設退所後も入国から14日間はホテルなどでの待機が必要。

 組織委の武藤敏郎事務総長は会見(18日)で、インドなどから来る選手は、自国で7日間の隔離をし、来日後に3日間待機することで「合計10日間の隔離が実現する」と説明。この方向で「(政府に)了解をとりつつある」と述べました。

 アルファ株が見つかった英国について、厚労省は宿泊施設での6日間を含め14日間の待機を要求。組織委は英国などについて、自国で3日間隔離後、日本国内で3日間待機とする、としています。

 組織委の中村英正運営統括は、自国と日本国内での隔離中の検査を毎日実施と言明。

 組織委関係者によると、日本での待機中は、他国の選手と練習はできないものの、個人練習はできるとしています。来日後に選手村で待機する選手を隔離するかどうかについて、「スペースの関係から難しい」とも。

 武藤氏は自国での隔離について「チェックできるようにしたい」としていますが、具体策は示さず、実効性が疑わしい状況です。

 検疫業務のかつての経験者は「現在、海外から来た人は入国から14日間、自宅やホテルなどで待機、という決まりがあるのに、それと違う運用、例外を認めることがあれば、何のために国民を守る法律があるのかと多くの人は考えてしまうのではないでしょうか」と話しています。(五輪問題取材班)

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