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2021年5月8日(土)

医療費2倍化 採決強行

衆院委で自公など 共産・立民が反対

「高齢者の健康 悪化も」宮本議員

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(写真)質問する宮本徹議員=7日、衆院厚労委

 75歳以上の医療費窓口負担に2割負担を導入する「高齢者医療費2倍化法案」が7日の衆院厚生労働委員会で強行採決され、自民・公明・維新など各党の賛成多数で可決し、日本共産党や立憲民主党は反対しました。共産党の宮本徹議員は質疑で、「受診抑制を引き起こし、健康悪化をもたらす負担増に突き進むのは絶対に許されない」と批判しました。

 宮本氏は、厚労省が持参した、受診抑制と窓口負担の関係を研究した6本の論文のうち、5本が受診抑制の結果を示していると指摘。特に糖尿病は、治療中断が失明等の重度の合併症につながるため、同省が採択した研究でも負担軽減こそ必要だと提起していると指摘し、「厚労省は真逆のことをやろうとしている」と追及しました。

 田村憲久厚労相が、「年収200万円以上」(単身世帯)などとした2割負担対象は「低所得者にならない範囲だ」と強弁したのに対し、宮本氏は、貯金がない世帯や病気がちで医療費がかさむ世帯など、個別の実態を見るべきだと批判。すでに3割負担の「現役並み年収383万円以上」(同)がある世帯でも受診控えが起きていると指摘し、2割負担化で「さらに大きな健康悪化をもたらすのは火を見るより明らかだ」とただしました。

 宮本氏は、後期高齢者医療制度への国庫負担率を下げてきた政府の責任を追及。厚労省の浜谷浩樹保険局長が2008~18年度までに約5千億円を削減したと答えたのを受け、「これを元に戻せば、負担増しなくても(法案理由の)現役世代の負担軽減の財源は出てくる」と強調しました。

 宮本氏は、強行採決後、「5回の審議で、窓口負担増が健康悪化につながることを政府は否定できなかった。野党から政府案と同程度の現役世代の負担軽減をする対案がでていたにもかかわらず、窓口負担増を強行採決するなど言語道断だ。廃案を求めていく」と述べました。


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