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2021年5月7日(金)

「シフト制労働者黒書」 首都圏青年ユニオン発表

補償なし休業強いられ…

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(写真)シフト制労働者黒書を発表する(右から)原田委員長、川口智也弁護士=6日、厚労省内

 首都圏青年ユニオンと顧問弁護団は6日、コロナ禍でシフト制労働者が補償なしの休業を強いられたなどの相談事例を「シフト制労働者黒書」にまとめ、厚労省内で発表会見を開きました。

 青年ユニオンの相談事例から特徴的な12件を紹介。政策提言として、就労実態にもとづいて休業手当を支払うべき労働日・時間を確定する▽シフト制に最低保障労働時間・賃金をつくる▽休業手当の最低基準と算定方法を改善する▽雇用保険改善など休業、失業時の生活保障を拡充する―ことを求めました。

 会見で原田仁希委員長は、「シフト未確定を理由に休業手当を支払わない企業がある。以前からシフト制は不安定で、会社の意に沿わないと制裁でシフトカットを受けることもあった。コロナ禍で問題が一気に噴出した」と指摘しました。

 黒書の事例にあげた2人の組合員が発言。大手飲食チェーンで12年働いていた男性(41)は、「バイトリーダーとして週5日、午前10時から午後11時半まで働いていた。昨年4~5月まったくシフトに入れなかった。休業手当が出ない問題は組合員だと明らかにしたら解決したが、いまも勤務時間が減り月の収入が10万円減っている」と話しました。

 飲食大手フジオフードシステムのカフェで働く30代の女性は、「昨年の店舗閉鎖のとき、休業手当はシフトが決まっていた数日分の6割、数千円だけだった。雇用調整助成金を使ってほしいと何度も言ったが、拒否された。今年は週4~5日のシフトが週1日に減らされ、生活が苦しい」と訴えました。

規制求め厚労省要請

「対応考えたい」担当者答える

 首都圏青年ユニオンは6日、衆院第2議員会館で、シフト制を規制するよう厚労省に要請しました。

 原田仁希委員長は、「シフトをゼロ時間にされ退職に追い込まれるなど解雇・雇い止めにもカウントされない事例がたくさんある。ちゃんと規制してほしい」と求めました。

 厚労省の担当者は、3月12日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の宮本徹衆院議員が欧州連合(EU)の法規制を参考にシフト制に賃金・労働時間の最低保障を設けるよう質問したのに対し、田村憲久厚労相が「よく研究したい。調査する」と答弁したことを指摘。「対応を考えたい」と答えました。

 栗原耕平事務局次長は、契約書に就労時間が併記してあるのに、労働基準監督署が実態を調査せずに休業手当支払いの指導をしなかった問題を指摘。厚労省の担当者は、「対応の問題は受けとめ、丁寧な対応を心がけたい」と述べました。


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