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2021年5月7日(金)

国民投票法改定案・修正案に対する赤嶺議員の反対討論

衆院憲法審

 6日の衆院憲法審査会で採決が行われた、与党提出の国民投票法改定案と修正案に対する、日本共産党の赤嶺政賢議員の反対討論は次の通りです。


 与党案に反対する第一の理由は、安倍晋三前首相が2020年と期限を区切って改憲を主張する下で、改憲議論に進む「呼び水」とするために提出されたものだからです。

 自民党は、4年前の安倍前首相の号令の下、「改憲4項目」を策定し、これを審査会に提示し、改憲原案のすり合わせをしようと画策しました。野党が「安倍改憲」に反対するもとで、自民党は審査会を動かそうと、突如与党案を持ち出してきたのです。

 しかしこの3年間、安倍政権が改憲を叫べば叫ぶほど、「安倍改憲」に反対する国民世論は大きくなりました。安倍氏自身が退陣にあたって「国民世論が盛り上がらなかったのは事実だ」と認めた通りです。

 にもかかわらず、菅義偉首相がまた、国民投票法改定案の成立を「改憲4項目」の議論を進める一歩とすると述べていることは看過できません。

 国民はいま、憲法改定を政治の優先課題とは考えていません。いま政治がすべきは新型コロナ対策に全力を挙げることであり、改憲を優先する必要は全くありません。

 第二に、与党案は国民投票法がもつ根本的な欠陥を放置していることです。

 現行の国民投票法は、最低投票率の問題や、公務員の運動を不当に制限している問題、資金力の多寡によって広告の量が左右される問題など、民意を酌み尽くし正確に反映させるという点で、重大な欠陥があります。これらの問題は、2007年の法制定時や14年の改定時にも国会の附帯決議で指摘され、与党も賛成したものです。この根本問題にこそ真摯(しんし)に向き合うべきであり、これを脇に置いたまま、7項目のみ採決することは許されません。

 さらに、この間の審議で、公職選挙法並びで本当に民意を酌み尽くすことができるのかという問題が浮き彫りになりました。公選法も含め、いまの選挙制度に問題があるということに他なりません。国民の意思を正確に反映する制度のあり方へと抜本的に見直すべきです。

 なお、修正案については、有料広告のあり方などの問題について3年間検討するというものですが、それをもって欠陥を放置したままの与党案を採決してよいということにはなりません。審議は続行すべきです。

 ましてや、この問題を済んだこととして、「改憲4項目」の議論に入ることなど断じて認められません。安倍・菅政権による改憲策動を断固として阻止する決意を申し上げて、反対討論とします。


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