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2021年4月18日(日)

ワクチン格差是正を

WHO事務局長 コロナ克服に不可欠

 【ワシントン=島田峰隆】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は16日、新型コロナウイルスについて「一つの国、一つの地域だけで一度に打ち勝つことはできない」と語り、ワクチン接種をめぐる先進国と途上国の格差是正が不可欠だとの認識を示しました。国連の経済社会理事会の会合で述べました。

 テドロス氏によると、8億3200万回分のワクチンのうち82%が中高所得の国に集中し、低所得国へは0・2%しか配分されていません。ワクチン接種を済ませた人は、高所得国では4人に1人ですが、貧困国では500人に1人です。

 テドロス氏は、感染が世界で急増している原因の一つに「ワクチン接種をめぐる際立った不公平」があると指摘。「全員が安全になるまで誰も安全にはなれない」と強調しました。

 コロナを克服できるのは「連帯、公平、共有の精神に基づいた世界の協調した努力だけだ」と指摘。(1)人口比で十分なワクチンを持つ国はWHO主導の低所得国向け共同調達の枠組みCOVAXへ譲渡する(2)知的財産権を一定程度放棄することも含めてワクチン生産を増やす(3)それぞれの地域で現地でのワクチン生産へ投資する―ことを呼び掛けました。

 テドロス氏は一方で「ワクチンだけでパンデミック(世界的流行)が終わるわけではない」と述べました。各国に対し、検査、追跡、隔離など「科学に基づいた複合的な措置」をとるよう求めました。


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