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2021年3月11日(木)

女性被害3人に1人

WHO分析 性暴力なくす行動を

 世界保健機関(WHO)は9日、15歳以上の女性の3人に1人が、男性からの身体的または性的暴力の被害にあっているとの分析結果を発表しました。世界で7億3600万人にのぼるとしています。若い女性の「4人に1人」が暴力を経験していると述べ、警鐘を鳴らしました。

 WHOの分析は、過去最大規模のもので、他の国連機関とともに、161カ国・地域のデータ(2000~18年)に基づき実施。新型コロナウイルスの流行後にドメスティックバイオレンスの急増が報告されていますが、それらは反映されていません。

 最も多いのは、夫やパートナーなど親しい相手からの暴力で、6億4100万人の女性が被害を受けています。年齢層で最もリスクが高いのは、15~24歳の若い女性で、過去1年の間にパートナーから暴力を受けたのは16%と最多となりました。

 UNウィメンのムランボヌクカ事務局長は、パンデミックで女性への暴力増加が各地から報告されていることに触れ、「全ての政府は女性の関与のもとで、強力かつ積極的な対策に取りくむべきだ」と強調。若い女性たちの被害状況が悪化していることは、「非常に気がかりだ」と述べました。

 被害は、低・低中所得諸国の女性たちに偏っており、オセアニア、南アジア、サハラ以南のアフリカ諸国では、33~51%の女性が暴力を経験しています。東アジアは20%です。WHOのテドロス事務局長は、「女性への暴力は全ての国、文化における病だ」と指摘。女性への暴力は、「新型コロナウイルスと違い、ワクチンで流行は防げない。政府、地域、個人による粘り強い努力でたたかわなければならない」と語りました。

 WHOは、各国に対し、▽被害者を中心に据えたケアと関係機関につなぐ保健体制の強化▽包括的な性教育を含む、差別的態度や信念を是正する学校教育の実施―などで女性への暴力を許さない取り組み強化を求めました。


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