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2020年7月17日(金)

種子条例 各地で制定相次ぐ

公的責任の後退止めよう

 コメ、麦、大豆などの主要農作物の種子の供給について公的責任を定めた主要農作物種子法が2018年4月に廃止されて、2年あまりがたちました。この間、種子への公的責任の後退を止め、地域農業を守ろうと、各地で種子条例制定の動きが広がっています。(内田達朗)


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(写真)種子条例の制定などを求める山口県農民連の代表ら=2019年8月1日、山口県庁

 「日本の種子(たね)を守る会」のまとめによると、6月議会までに種子条例を制定したのは、北海道、宮城、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、新潟、長野、富山、石川、福井、愛知、三重、岐阜、兵庫、鳥取、広島、宮崎、熊本、鹿児島の21道県。群馬、三重、広島以外の18県ではすでに条例が施行されています。

 ほかにも、岩手県議会では19年3月、「いわて食・農ネット」が提出した条例制定を求める請願を採択。島根県では、知事の議会答弁にもとづいて設置された検討会が条例案の骨子をまとめています。

 広島県議会が全会一致で可決した条例は、主要農作物のコメ、麦類、野菜などについて知事が奨励品種を定め、種子の保存・生産・普及を行うとともに、県に必要な財政措置をとるよう規定しています。

 各地の農民連、食健連などが制定を求めて請願に取り組み、農協などの団体とも共同を広げてきました。日本共産党の地方議員(団)は議会で繰り返し制定を求めてきました。種子条例制定を求める意見書を採択する議会も広がり、北海道、岐阜など多くの県議会で、超党派の議員が提案に加わり、全会一致で可決される例が多くなっています。

 まだ制定されていない県でも取り組みが広がっています。山口県では、県農民連が共産党県議団、山口市議団とともに、県に条例制定と地域固有の在来種を維持するための予算・人員の確保を要求。高知県では「こうち食と農を考える会」が発足し、条例制定を求める署名を広げています。沖縄県では「生物多様性種子条例」を求める会が署名活動を続けています。

 農民運動全国連合会の吉川利明事務局長は「条例の広がりは、農民連、食健連にくわえて幅広い市民の共同が広がりを反映しています」と強調。「コメ、麦だけではなく、その県が重視する作物も対象にしているのは前向きな動きです。この動きをさらに広げるとともに、野党が共同提出した種子法復活法の実現へさらに運動を進めていきます」と話しています。


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