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2020年6月9日(火)

2次補正予算案審議入り

衆参本会議 予備費10兆円めぐり論戦

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(写真)質問する藤野保史議員=8日、衆院本会議

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(写真)質問する山下芳生副委員長=8日、参院本会議

 総額約32兆円の3分の1を占める10兆円の予備費が盛り込まれた2020年度第2次補正予算案が8日、衆参の本会議で審議入りしました。麻生太郎財務相は財政演説で、10兆円のうち5兆円の使途の大枠を示すことで巨額予備費の正当化を図りました。日本共産党の藤野保史衆院議員と山下芳生副委員長(参院議員)がそれぞれ質疑に立ちました。

 (関連記事)(藤野氏質問要旨

 藤野、山下両氏は、「10兆円の予備費は憲法が定める財政民主主義の大原則を侵すものだ。巨額の血税の使い道を政府に白紙委任することはできない」と強調。「おおまかな使途を示すのならば、政府・与党の責任で明確に予算化し、国会で修正すべきだ」と迫りました。その上で、「残る5兆円についても、直ちに第3次補正予算の編成に入るべきだ」と求めました。

 憲法は国の財政は「国会の議決に基づく」(83条)と規定し、政府もこれまで予備費の計上に抑制的でした。ところが安倍内閣は、コロナ対策を理由に20年度予算で5千億円を計上。第1次補正で1・5兆円に上積みし、さらに第2次補正で10兆円も積み増ししようとしています。

 同日の質疑では、10兆円の予備費に対して与野党から「財政民主主義の観点からの懸念も指摘される」(自民、高鳥修一衆院議員)、「国会審議を図る必要がない形で白紙委任することは議会の自殺行為」(国民、大西健介衆院議員)、「看過できない」(維新、浅田均参院議員)の声が上がりました。

 藤野議員は「10兆円の予備費を計上するのは、お金は好き勝手に使いたいが、野党に追及される国会は開きたくないという政府の身勝手な都合ではないか」と批判。「当初予算の予備費を使い『アベノマスク』を思いつきでばらまいた安倍政権に、10兆円の予備費をゆだねるなど到底できない」と迫りました。

 安倍晋三首相は、10兆円の予備費が財政民主主義を侵すとの指摘には一切答えられず、「使途を示した5兆円についても具体的な予算額の計上は困難」と開き直りました。


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