しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年9月15日(日)

収穫期 農家に大打撃

ナシ8割落下 ハウス壊れた ニンジン壊滅的

農民連 千葉各地の台風被害調査

 首都圏を直撃した台風15号により、農林水産業に甚大な被害が生じています。千葉県によると、県内の被害額は12日時点で193億6700万円で、今後も拡大する見通しです。


写真

(写真)台風でナシが地面に落ちたなか農家の小林文雄さん(左)から被害状況を聞く農民連の役員ら=14日、千葉県香取市

農林水産被害193億円(12日時点)

 農民運動全国連合会(農民連)は14日、千葉県内で被災した農業者などに救援物資を届け、農業被害の実態を調査しました。

 香取市の小林文雄さん(71)が営むナシ園では、台風の影響で収穫前のナシの8割が地面に落ち、果樹を保護するネット(網)も破れました。

 小林さんは「強風で揺さぶられて落ちたり傷付いたりしたナシは出荷できない。台風前には200件の注文があった。これからが本格的な収穫の時期だったのに…」と悔しさをにじませました。

 同市でサツマイモなどを生産する玉井正吉さん(59)も、農業用ハウス4棟が被害にあいました。「再建には1棟60万円ほどかかる。人手や資材も足りるだろうか」と不安げな表情を浮かべました。

 睦沢町で約40頭の乳牛を飼う中村種良さん(67)は「13日朝に電気が復旧するまでに1頭が死んでしまった。乳房炎になった牛もいる。牛舎の修理代なども含めて100万円ほどかかりそうだ。打撃が大きい」と、ため息をつきました。

 約120軒の生産者を抱える横芝光町の農事組合法人「房総食料センター」では、田山修司専務理事が「ニンジンや小松菜が壊滅的で、9月の収穫は諦めるしかない状況だ。12棟の農業用ハウスの大半が壊れてしまった農家もいる。被災前と同じ規模で再建するかどうか迷う農家もいるので、助けてほしい」と訴えました。

 農民連の湯川喜朗常任委員は「今回の調査を踏まえて(被害補償などを)農民連として国に要望していきたい」と述べました。(丹田智之)


pageup