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2018年9月4日(火)

西日本豪雨 救援・復旧 Q&A (6)

 Q 農業への支援策はどのようなものがありますか?

  土砂災害や河川の氾濫などで、農作物、農業用ハウス、農地、農道・園内道をはじめ甚大な被害が生じました。農業者やその後継者が将来に展望をもって営農を継続できるような支援が必要です。JA愛媛では、「新たな負担が生じないような経営再建に向けた特別の支援措置」を求めています。

 ○果実を植えなおすために必要な苗木代や樹体の撤去の費用に国から定額の補助金が出ます。ミカンなどのかんきつ類の場合は、10アール当たり23万円。ブドウ、モモ、ナシなどの落葉果実は10アール当たり17万円。カキ、ナシのジョイント栽培の場合は10アール当たり33万円です。また、くだものは収穫ができるまでに一定の年月がかかります。未収益期間に必要な肥料代や農薬などについては、10アール当たり5・5万円が植えなおした翌年から4年分助成されます。

 水田での稲・麦・大豆などの栽培を断念せざるを得ない場合でも、水田活用の直接支払い交付金、畑作物の直接支払い交付金の対象になります。

 〇農家が農業用ハウスやモノレール、加工設備など再建・修繕する場合、国が費用の2分の1を補助する「被災農業者向け経営体育成支援事業」が活用できます。4年前の関東地方の豪雪災害では県・市町村も上乗せし、ハウスの再建費用の9割以上が助成されました。愛媛県は今回、県独自で5分の1以内、市町が5分の1以内という独自の上乗せも行うとしています。

 また、倒壊した農産物の生産に必要な施設の撤去は、国の支援2分の1、県と市町の支援2分の1で、農業者の負担なしで行うことができます。

 〇農地や農業用施設の復旧には、国・自治体等が事業主体となる災害復旧事業が適用されます。激甚災害の場合、過去5年間の実績で、農地で約95%、農業用施設で約98%が国の負担で行われています。復旧を急ぐ場合には、災害査定など正式な手続きを省略し、事業主体の判断で応急工事を行う査定前着工という制度があります。

 〇農協や農事組合法人などの共同利用施設(加工施設、作業場など)の復旧には、事業費の90%まで国が補助する「農林水産業共同利用施設災害復旧事業」が利用できます。

 東日本大震災では、農家負担ゼロで営農再開できる特別対策が取られました。今回も被害の甚大さを踏まえ、極力農家負担なしの対策をつくらせましょう。(つづく)


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