しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年5月2日(水)

細る 農業生産基盤

従事者も耕地面積も減

専門紙 「安倍農政に強い不信感」

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(写真)紙智子参院議員

 農政「改革」と称し、「農協解体」やコメの直接支払交付金の削減・廃止などを進めてきた安倍政権は、「攻めの農政により農林水産物の輸出は過去最高を更新するペース」などと“自慢”しています。しかし、農産物の供給量減少や離農の増加など、生産基盤の弱体化が進んでいるのが実態です。

政府も認める

 政府は、2016年の農業総産出額が9兆円を超えたことを「改革の結果」と強調。しかし、生産基盤が弱体化するもと、天候不順などもあって供給量が落ち込み、農産物価格が上昇して産出額の増加につながっています。農林水産省の統計では、野菜や果実、肉用牛などは、14~16年にかけて供給が減り価格が上昇。生産の土台となる基幹的農業従事者や耕地面積は、10~17年で大きく減少しています。(グラフ)

 日本共産党の紙智子参院議員は、こうした実態を挙げて「政府は『規模拡大』や『競争力・輸出力強化』を強調するが、生産基盤は弱体化しつつある」と指摘。斎藤健農水相も「離農も進んでおり、そういう状況だ」と認めました。(3月22日の農林水産委員会)

 翌23日付の日本農業新聞は紙氏の質疑を紹介し、「改革路線の検証必要 基盤弱体化を懸念」の見出しで報道。また、農機大手クボタの木股昌俊社長は「日経」インタビュー(同12日付)で、「生産基盤の弱体化で食料問題になってくる可能性があり、国民にとっても人ごとではなくなる」と危ぐしています。

7割評価せず

 安倍政権は、「競争力強化」をうたい大規模化・コスト低下の押しつけと中小の家族経営の切り捨てを進め、農地・農業委員会・農協など戦後の家族農業を支えてきた諸制度を次々に解体。「農業所得の向上」といいながら、今年はコメの直接支払交付金(10アール当たり7500円)と国による生産調整政策「減反」を廃止し、農家から不安と怒りの声があがっています。

 「農政評価せず 7割超」。日本農業新聞の4月の意識調査では、安倍内閣の農業政策を「まったく評価しない」29・8%、「どちらかといえば評価しない」40・8%との結果が示され、同紙は「安倍農政に対して、生産現場が依然として強い不信感を抱いている」と指摘しました。

 日本共産党は、価格保障や所得補償の充実など、将来に向け農業に励める土台を整え、安倍政権下で38%に低下した食料自給率を早期に50%台へ引き上げることを提案。環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国による新協定「TPP11」や日米自由貿易協定(FTA)といった農産物市場のさらなる開放、歯止めなき貿易自由化の中止を求めています。

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