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2018年1月23日(火)

日本共産党議員団総会での志位委員長のあいさつ

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 日本共産党の志位和夫委員長が通常国会召集日の22日に開かれた党国会議員団総会で行ったあいさつは次のとおりです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=22日、国会内

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。通常国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申し上げます。

安倍政権をどうとらえ、どう立ち向かうか

 まず、現在の安倍政権をどうとらえ、どう立ち向かうかについて、のべたいと思います。

 第2次安倍政権が発足して5年がたちました。安倍政権の5年間は日本の政治に何をもたらしたか。私は、三つの角度から告発したいと思います。

憲法を守れない首相に、憲法を語る資格なし

 第一に、憲法をこんなにもないがしろにした政権は、戦後かつてありません。秘密保護法、安保法制=戦争法、共謀罪など、憲法違反の悪法を「数の暴力」で次々と押し通してきました。憲法にもとづく政治――立憲主義が土台から壊されるという異常事態をつくりだしています。それは同時に、政権党の政治の著しい劣化と荒廃と退廃を招いているのではないでしょうか。

 安倍首相は、その総仕上げとして憲法9条改定の野望をむき出しにしていますが、憲法を守ることができない首相に、憲法を語る資格はなしということを言いたいと思います。(拍手)

「アベノミクス」の失敗と生活保護削減の方針

 第二に、国民の暮らしをこんなにも粗末に扱った政権もかつてありません。安倍政権の5年間で、大企業は空前の利益を上げ、内部留保を400兆円を超えて積み増し、超富裕層の資産は3倍になりました。しかし、働く人の実質賃金は年間で15万円も減り、実質家計消費は20万円も減りました。年収200万円以下の「働く貧困層」といわれる人々は、1100万人を超えて広がっています。「アベノミクス」がもたらしたのは格差拡大と貧困悪化だけだったではありませんか。

 それを象徴的に示すのが、政府が決めた生活保護削減の方針であります。政府は削減の理由として、「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから、それに合わせて引き下げる」と言います。これは安倍政権のもとで貧困が悪化した――「アベノミクス」が失敗したことを自ら認めるものではありませんか。「低所得世帯の生活水準が下がった」というなら、生活保護を削るのでなくて、低所得世帯の生活を支援することこそ、憲法25条に基づく政治の責務ではないでしょうか。

世界の流れに逆らう政権――「核抑止力論」で禁止条約に背を向ける

 第三は、世界の流れに真っ向から逆らう政権だということです。

 それを象徴的に示しているのが、核兵器禁止条約に背を向ける姿勢です。日本政府は、「核抑止力の正当性を損なうことになる」ことを理由に、条約への署名を拒んでいます。先日のICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)事務局長のベアトリス・フィンさんを招いての討論集会でも、日本政府代表は、もっぱらこの議論を繰り返しました。その場でも私は批判いたしました。

 「核抑止力論」とは、いざというときに核兵器を使用するという「脅し」によって安全保障をはかろうという考え方にほかなりません。いざというときには核のボタンを押すというのが「核抑止力論」であります。いざというときには、広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こしても許されるという考え方であります。そうした世界ではすでに破綻した論理に、こともあろうに唯一の戦争被爆国の政府がしがみつく。これはあまりにも恥ずかしい態度ではないでしょうか。

市民と野党の共闘で、安倍政治を終わらせ、新しい政治をつくろう

 よく「安倍1強」などといわれますが、私は、「1強」でも何でもないと思います。内政でも、外交でも、世界の流れに逆らうという点でも、あらゆる面で行き詰まり、中身はもうボロボロになっている。これが安倍政権のいまの本当の姿ではないでしょうか。

 そして強調したいのは、この5年間の安倍暴走政治に対して、戦後かつてない新しい市民運動がわき起こり、市民と野党の共闘が始まり、確かな成果を上げてきたということです。この通常国会で、安倍政権とのたたかいは6年目に入りました。もう引導を渡そうではありませんか。市民と野党の共闘をさらに前進させ、安倍政治を終わらせ、新しい政治をつくるために、全力をあげる決意を固めあおうではありませんか。(拍手)

市民と野党の共闘を発展させる先頭にたって奮闘しよう

 通常国会をいかにたたかうか。わが党は、次の二つの構えを堅持して奮闘したいと思います。

森友・加計疑惑――幕引き許さず、真相究明に引き続き力をつくす

 第一は、市民と野党の共闘をさらに発展させる先頭に立って頑張りぬくということであります。

 森友・加計疑惑は、前国会での質疑を通じて疑惑がいよいよ深刻になりました。ことは権力者による国政私物化の重大疑惑です。幕引きは絶対に許すわけにはまいりません。(首相夫人の)安倍昭恵氏と加計孝太郎氏の国会招致も含め、真相解明のために引き続き力をつくす決意を申し上げたいと思います。(拍手)

9条改憲に国民の批判と不安が広がる――発議を絶対に阻止するたたかいを

 この国会の最大の課題は、安倍政権による9条改憲を阻止することであります。

 国民の多数が、この動きにたいして不安と批判を強めています。年明けに報じられた日本世論調査会の調査では、9条改憲に53%が反対と答えました。今年初めの共同通信の調査では、安倍政権のもとでの憲法改定に54%が反対と答えています。

 3000万署名を集めきるならば、9条改憲阻止の揺るぎない国民的多数派をつくることは可能であります。9条改憲の国会発議は絶対に阻止する。議員団が、国会内外でその先頭に立って奮闘しようではありませんか。(拍手)

沖縄・南城市長選挙で「オール沖縄」の勝利――この勝利を名護につなげよう

 沖縄のたたかいも絶対に負けるわけにいきません。

 この間の沖縄での米軍機事故の続発は、異常事態というほかありません。普天間基地所属の海兵隊の軍用機が、沖縄全土で事故を起こしています。この事実は、普天間基地を辺野古に移したところで、危険な基地が沖縄にあるかぎり、危険は変わらないということを示すものではないでしょうか。新基地建設に反対する「オール沖縄」に連帯する国会論戦を展開しようではありませんか。

 昨日投開票された沖縄・南城市の市長選挙で「オール沖縄」の瑞慶覧長敏(ずけらん・ちょうびん)候補が現職候補と大接戦のすえ、勝利をかちとりました(拍手)。この勝利を名護につなげようではありませんか(「そうだ」の声、拍手)。大激戦の名護市長選挙で稲嶺ススム市長の勝利をかちとるために、議員団としても全力をあげようではありませんか。(拍手)

財界の立場の「働かせ方大改悪」を阻止し、真に働く人の立場にたった改革を

 「働き方改革」も重大な争点です。

 安倍首相は「働く人の視点・立場に立った改革」といいますが、まったくのウソ偽りであります。残業代ゼロ法案、裁量労働制の拡大、過労死基準の残業の容認――徹頭徹尾、財界の立場に立った「働かせ方大改悪」というのがその正体であります。

 国会内外での共闘の可能性は大いにあります。昨日のNHKの書記局長・幹事長の討論会での野党各党代表の発言を見ても、野党共闘の可能性は大いにあります。国会内外の共闘を広げ、大改悪を阻止し、真に働く人の立場に立った労働基準法の抜本改正を求めて頑張りぬこうではありませんか。(拍手)

「原発ゼロ法案」――この一点であらゆる方々と協力して力をつくす

 原発問題も共闘の重要な課題となってきました。

 小泉純一郎・細川護熙両元総理が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が、運転中の原発の即時停止、原発再稼働は一切認めない、自然エネルギーへの全面転換などを柱とした「基本法案」を発表しました。わが党にも法案を持ってお見えになりましたが、わが党の立場と一致するものであり、全面的に賛成であります。

 「基本法案」の方向が、野党共同のものとなり、国民多数の合意となるように、この一点であらゆる方々と――小泉さん、細川さん、「原自連」のみなさん、あらゆる方々と協力して力をつくす決意を申し上げたいと思います。(拍手)

党綱領にそくして、日本共産党ならではの論戦を

 第二に、党綱領にそくして、日本共産党ならではの論戦を展開する――このことも強調したいと思います。

トランプ米政権1年――異常な対米従属外交を続けていいのか

 1月20日、トランプ米政権が発足1年を迎えました。内外メディアが、その立場はいろいろですが、共通して指摘したのは、この政権が「世界への責任を放棄している」ということでした。核戦力の強化、パリ協定からの離脱、エルサレムの首都認定、北朝鮮問題で先制攻撃を公言する――トランプ大統領の危険な要素が噴き出しています。

 トランプ大統領の登場のもとで、異常な対米従属外交を続けていいのかが、これまでにもまして重大な問題となっています。「異常な対米従属をただす」ことを綱領の中心命題に掲げる日本共産党の頑張りどころの情勢だということを強調したいと思います。

憲法を蹂躙し、国民生活を踏みつぶす大軍拡を許さない

 いま一つ、日本共産党ならではの論戦という点で強調したいのは、来年度政府予算案で、5・2兆円と史上最大に膨れ上がった大軍拡の問題点を徹底的に明らかにする論戦であります。

 とくに、長距離巡航ミサイルの導入、海上自衛隊の巨大護衛艦「いずも」を戦闘機搭載の「空母」へと改修する計画は、これまで憲法上持てないとされてきた「他国に攻撃的な脅威」を与える兵器そのものであります。

 憲法を蹂躙(じゅうりん)し、国民生活を踏みつぶす大軍拡を許さない――この点でも日本共産党の真価を発揮した論戦を展開しようではありませんか。(拍手)

 共闘を前進させるという点でも、日本共産党ならではの論戦という点でも、国民の期待にこたえた論戦を縦横無尽に展開し、元気いっぱい頑張りぬくことを誓い合って、開会にあたってのあいさつといたします。ともに頑張りましょう。(大きな拍手)


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