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2017年1月8日(日)

“奴隷制の悲劇” 歴史的事実反映を

国連部会が各国に要請

不正確な米教科書使用中止受け

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 「アフリカ系子孫に関する国連専門家作業部会」は5日、米東部コネティカット州で奴隷制について不正確な記述があるとされた歴史教科書の使用が中止されたことを歓迎し、次世代に歴史的事実を正確に伝えるよう各国の教育関係者らに求めました。同日のメディア向け文書で明らかにしました。(島田峰隆)


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(写真)ニューヨークの国連本部にある奴隷制犠牲者を追悼する記念碑「アーク・オブ・リターン(帰還の箱舟)」を見学する人たち=2015年10月23日(島田峰隆撮影)

 文書によると、同州のノーウォーク学区はこのほど、9〜10歳向けに使われていた歴史教科書の使用をやめました。かつてアフリカ大陸から連行された奴隷について“家族のように扱われ、読み書きを教わった”などと記述している部分について、当局が不正確だと判断したためです。

 作業部会責任者のリカルド・スンガ氏はこの決定に支持を表明。「奴隷の歴史を論じた章は奴隷制の真の性格をゆがめている」「奴隷にされた人々は、自らの意思に反して売買され、生命、自由、財産の基本的権利を奪われ、搾取され、想像できる限り最悪の非人間的な扱いをされた」と指摘しました。

 また「教育者や出版社は、教科書・教材に悲劇や残虐行為の歴史的事実を正確に反映させる責任がある。特に大西洋奴隷貿易、植民地主義についてはそうだ」と強調。「そうすることで型にはまった見方や歴史的事実の歪曲(わいきょく)、偽造が人種差別や外国人嫌いになることを避けられる」とし、世界各国の関係者に歴史的事実の正確さの追求を要請しました。

 アフリカ系子孫に関する国連専門家作業部会は、2001年に南アフリカで開かれた国連人種差別反対世界会議を受けて02年に設置されました。国連人権理事会が任命した5人の専門家で構成されます。


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