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2016年8月24日(水)

安倍政権が狙う受診時負担増

かかりつけ医以外は百〜数百円増

受診抑制・重症化招く危険

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 安倍政権は、患者に身近な医師とされる「かかりつけ医」以外を受診した場合、窓口負担(現役世代は3割、70歳以上は1〜2割)に加えて1回100円〜数百円の定額負担を追加する負担増の導入を計画しています。

高齢者ほど重く

 こうした「受診時定額負担」が導入されると、特に受診回数の多い高齢者や持病のある患者ほど負担が増えるため、受診抑制と、病気の長期化や重症化を招くことになります。

 医療費の患者負担は、欧州では無料か低額です。日本の窓口3割負担は「すでに公的医療保険制度と呼べる水準ではない」(日本医師会)と指摘されています。横倉義武・日本医師会会長は「医療が必要な患者に対し、自己負担を引き上げ、さらに受診抑制につなげることは、これ以上あってはならない」(5日)と批判しています。

 定額負担がかりに1回500円になれば、医療費が5千円の場合の負担(現役世代)は、3割の1500円に500円を加えた2千円となり、実質4割負担になります。患者負担が2割から3割に引き上げられた2002年の法改悪の際、健康保険法の付則には「将来にわたって7割の給付(患者負担3割)を維持する」と明記されており、これに反する改悪です。

 さらに、当初は100円の定額負担であっても、新たな自己負担の仕組みがいったん導入されると、その負担が引き上げられていくことは過去の窓口負担増の歴史が示しています。

 定額負担をめぐっては、2006年に診療費の一定額を保険給付から外す「保険免責制」が、11年には、窓口負担と別に追加負担を求める「外来時定額負担」がそれぞれ持ち出されました。「受診抑制を引き起こす」と国民の猛反対にあい、断念に追い込まれたものです。

導入理由も転々

 導入理由も「医療費適正化」から「高額療養費(自己負担上限)の財源」へと二転三転。安倍政権では「かかりつけ医の普及」と言い出していますが、まともな理由は示されていません。

 11年の時は、100円の負担増を患者に求めた場合、医療費が約2千億円削減できるとしていました。結局、医療費削減のための負担増が狙いであることは明瞭です。

 社会保障審議会では「(高齢者など)頻回受診を余儀なくされる患者の負担が重くなる」(全国老人クラブ連合会)、「経済力の差によって医療へのアクセスが阻害されてはいけない」(連合)との批判が噴出しています。日本共産党は、受診抑制に拍車をかける窓口負担増に反対し、高すぎる窓口負担の軽減こそ行うべきだと主張しています。

(松田大地)

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