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2016年3月12日(土)

きょうの潮流

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 穏やかに広がる三陸の大海原。ウミネコが鳴き、入り江を漁船が行き交う。のどかな風景が一変したあの日。津波によって、すべてを流された街の風景は段々と変わっています▼がれきの山はさら地になり、かさ上げされた用地には建物がぽつりぽつり。宅地が造成された高台には、真新しい家々も。3・11から5年。街の表情は変化しても大切な人を失い、地域のつながりを絶たれた悲しみや苦しみは変わりません▼きのう、被災地は追悼の祈りに包まれました。街が壊滅し、行方不明を含む1757人の犠牲者を出した岩手・陸前高田市。ここでは、いま街の再生をめざして大規模な事業が進んでいます▼「奇跡の一本松」とともに目に飛び込んでくるのは、巨大な防潮堤や大量の土砂で盛り上げられた造成地。戸羽太市長は、追悼式で全国からの支援に感謝しながら、「安心安全に誰もが希望や夢を語り合い、生きがいをもって笑顔で暮らせる街づくり」を誓いました▼一方で、いまだ多くの被災者は復興を実感していません。仮設住宅から抜け出せず、生活も成り立たない。高齢化や仕事もなく、人が減って街づくりが困難な被災地も。地方を冷たく切り捨てながら、自立や創生を平然と口にする政権のもとでは個々の事情に沿った援助など望むべくもないか▼「街並みや産業だけではない、一人ひとりの心の復興こそ、真の復興」(戸羽市長)。そこに住む人たちに生きる勇気と希望がわいてくる歩み。それこそ、再生に向かう唯一の道です。


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