2015年8月1日(土)
石綿被害 認定の壁告発
堀内議員 未救済者に対策を
衆院委
|
日本共産党の堀内照文衆院議員は31日、厚生労働委員会で、吸入すると呼吸困難になる石綿肺や、肺がん、中皮腫などを発症するアスベスト(石綿)被害について質問。疾病に必要な検査や対策を政府主導で行うよう主張するとともに、厳しい認定基準により救済されずに残されている被害者の問題を追及しました。
堀内氏は、大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の石綿により、多数の被害者をだした「クボタショック」から10年たった現在、現行の補償・救済制度の対象から漏れている被害者が、「数千人規模でいることが推察される」と指摘。石綿の人体への危険性を認識していたにもかかわらず十分な対策を怠り、2006年の全面禁止に至るまで被害を放置・拡大させた国と企業の責任を批判し、「健康管理手帳を被害者に発行し、全国どこにいても必要な検査を受けられるようにすることが重要だ」と迫りました。
堀内氏は、肺がんの原因が石綿以外にも、喫煙、大気汚染などさまざまな要因が考えられ鑑別困難ではあるが、「石綿ばく露によって発症リスクは各段に高まる」と強調。「厳しい基準が認定の壁になっている」として救済制度の見直しを求めました。
塩崎恭久厚労相は、「発症まで30〜40年かかる」石綿疾病の性質上、今後も健康被害の現れは「当分の間」続き、「救済法でカバーできていない被害者が残っている」との認識を示し、「環境省と連携して考えていく」と答えました。