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2014年10月20日(月)

NHK日曜討論 小池副委員長の発言

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 日本共産党の小池晃副委員長・政策委員長は19日のNHK番組「日曜討論」で、安倍政権の経済政策(アベノミクス)、雇用政策をテーマに各党の政策責任者らと議論しました。小池氏の発言は次の通りです。


アベノミクス―家計は悲鳴、大企業の内部留保活用がカギ

 最初にアベノミクスの評価が議論となりました。自民党の稲田朋美政調会長は、有効求人倍率、名目賃金の「改善」などを挙げて「アベノミクスの効果は順調に出てきている」と述べ、公明党の石井啓一政調会長は「中小企業、地方に改善を感じさせることが大事だ」と語りました。野党は「景気は減速している」などとアベノミクスを批判しました。小池氏は次のように述べました。

 小池 安倍首相は賃上げ率が過去15年間で最大だとおっしゃったんですが、4月以降の物価上昇率は、34年間で最大なんですね。さきほど実感というお話があったけれども、私はこの家計の厳しさをまさに与党が分かっていないのではないか(と思います)。本当に悲鳴があがっていますよ。しかもこの物価上昇は自然現象じゃなくて、消費税増税が大きかったわけであります。最大の問題は、一方で大企業は過去最高の収益をあげながら、実質賃金が14カ月連続で下がっているということです。大企業の内部留保は、この1年で15兆円近く増えて285兆円にまでなっている。これをきちんと雇用や中小企業に回していくことこそ鍵だと思います。

消費税増税―日本経済は破綻、一致する政党で中止法案提出

 来年10月の消費税増税10%への引き上げについて、「予定通り行う」が23%なのに対し、「遅らせる」「取りやめ」が合わせて73%とのNHK世論調査(10月)が紹介されました。

 自民党の稲田氏は、「社会保障のため」として「消費税の引き上げは必要だ」と主張し、消費税再増税の判断について「7〜9月の経済指標を見て総合的に判断しなければならない」と述べました。公明党の石井氏も「社会保障の充実、安定を考えても予定通り上げることはベストだが、そういう状況かどうかは首相が判断することだ」と語りました。

 野党からは「やるべきでない」(生活の党、社民党)、「痛税感がある。増税はしないことだ」(みんなの党)、「今やるのはどうか。凍結ないし延期を考えないと」(維新の党)などの意見が相次ぎました。小池氏は、消費税増税の環境にあるかと問われ、次のように発言しました。

 小池 (引き上げる環境に)まったくないと思います。いまだに社会保障のためだと稲田さんがおっしゃるのにあきれますよ。年金は削減しているし、医療や介護は負担増の計画が一気に出てきていますよね。財政再建のためだと言っていたのに、なんで黒字企業、ほとんど大企業しか払わない法人税は下げるんですか。まったく支離滅裂です。いまの経済状況のなかで、実質賃金が上がらないときに消費税をあげたら日本経済は破綻します。そういう道を進んでいいのか。どんな世論調査でも7割を超える国民が反対と言っているわけです。私は、税制のあり方には意見の違いがあったとしても、一致する政党で、この経済を破壊する10%増税はやめようじゃないかと、法案を国会に提出して、大いに議論しようと呼びかけたい。

 消費税増税をしないリスクと、その場合、財源をどうするのかが議論になり、小池氏は、消費税増税に頼らない別の道を提案しました。

 小池 私は、引き上げたほうがよほどリスクが大きいと思っています。国際社会だって、日本経済が破綻することを一番懸念していると思う。じゃあどうするのか。麻生さん(財務大臣)は増税しないと社会保障充実できなくなると脅迫みたいなことおっしゃっているけれども、私は、消費税で社会保障の財源をつくる議論から抜け出さないと、こういうにっちもさっちもいかないことになってしまうんだと思うんですね。消費税ではない別の道をいくべきなんですよ。税金というのは本来、負担能力に応じて支払うべきものだから、基本は所得税・法人税、増税するなら富裕層に、あるいは大企業に対する優遇を改めることをやるべきです。それをやらずに、消費税に頼るから、結局、社会保障財源のためだとこう着をしてしまうことになると思うんですね。歳出の面でも軍事費、原発予算、政党助成金にきちんとメスを入れる努力をしなければいけないんではないか。なによりも国民の所得が増えなければ、税収は増えないわけです。賃上げ、中小企業支援で所得を増やして税収を増やす、これですよ。

労働者派遣法改悪―反対する、「希望すれば正社員」の道こそ

 「3年間」という派遣期間の上限を撤廃し、企業が働く人を変えればずっと派遣労働者に仕事をさせることができる労働者派遣法の改悪案が議論となりました。自民党の稲田氏は「派遣元でのキャリアアップをやっていく意味において派遣労働者のための改革だ」などと述べました。維新の党や次世代の党は改悪案に賛成を表明。民主、生活、社民は反対しました。小池氏は次のように発言しました。

 小池 (改悪案に)反対です。総務省の調査でも派遣社員の42・6%は、正社員になれなかったから非正規を選んだと言っています。キャリアアップとおっしゃったけれど、具体的な中身は法案に何も書いていない。後から決めると言っているだけだし、最大のキャリアアップは希望すれば正社員になれる道をつくることですよ。今は、3年たったら派遣社員が正社員になる道を、この間のたたかいで実現してきた。そのわずかな道を閉ざすのが今度の改悪です。結局、期間制限の上限を撤廃すれば、「生涯ハケン」という働かせ方が広がってくる。だから、労働団体もナショナルセンターを超えて、声をあげている。非正規が増えることは、正社員の労働条件も悪化させる点で、労働者全体の問題になってくると思うんですね。だいたい安倍さんは「賃上げ」「賃上げ」と言いながら、なぜ、賃下げの最大要因の非正規雇用の拡大をやるんですか。大矛盾だと私は思う。この問題では、反対しているあらゆる労働団体、政党と私たちは力をあわせて、断固廃案という立場でがんばっていきたい。

本来の地方再生へ、最賃を上げ農林漁業守る政策に抜本転換を

 安倍政権は今国会に「地方創生」法案を提出し、人口減少の抑制や東京一極集中の是正、アベノミクスの「成果」を地方に波及させるとしています。小池氏は本来の地方再生の道を示しました。

 小池 なんで東京一極集中するかというと、やはり賃金が低いわけですよ。だいたい最低賃金の格差は地方にいけば(東京と比べて)2割も格差がある。政府が格差をつくっているんだから、これは是正すべきです。中小企業を抜本的に支援することとあわせて、最低賃金を大幅に引き上げる、例えば時給1000円にしたって年収200万円ですから、こういったことをやるべきなんですよ。米価の下落を放置せずにただちに措置をとること、農林漁業を痛めつけてきたのは輸入自由化路線なわけで、究極の自由化であるTPP(環太平洋連携協定)から撤退すること、原発再稼働をきっぱりやめて、再生エネルギーを本格的に進める、こういう政策の抜本的な転換をしないと、地方は元気にならない、その道を進むべきだと私は思います。


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