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2014年10月6日(月)

「河野談話」攻撃の論拠が崩れた

菅官房長官答弁で裏づけ

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 菅義偉官房長官は、3日の衆院予算委員会で、「慰安婦」問題で日本軍の関与と強制性を認めて謝罪した河野洋平官房長官談話(「河野談話」、1993年8月4日)について、「『河野談話』の作成過程において、政府は吉田清治氏から聞き取り調査を行ったが、その結果、同氏の証言は、客観的事実と照らしてつじつまが合わなかった。他の証言者の証言と比較して信用性が低かったことから『河野談話』に反映されなかった」と答弁しました。安倍晋三首相も「同じ認識か」と問われ、「官房長官が答弁したとおりだ」と答えました。

 吉田清治氏の「証言」とは、戦時中、軍の命令を受けて、韓国・済州島で、いわゆる「慰安婦狩り」をしたとするものです。

攻撃成り立たず

 「河野談話」否定派は、この「吉田証言」が「河野談話」の最大の根拠となってきたとして、それが崩れた以上、「河野談話」の根拠も崩れたという攻撃を繰り広げてきました。たとえば、安倍氏は97年5月の衆院決算委での質問で、「吉田証言」について「内容がすでにめちゃくちゃ」だと指摘し、「河野官房長官の談話の前提がかなり崩れてきている」とのべていました。今回のキャンペーンでも、「吉田証言」取り消しによって、「河野洋平官房長官談話などにおける、慰安婦が強制連行されたとの主張の根幹は、もはや崩れた」(「産経」8月6日付主張)などと攻撃してきました。

 こうした「河野談話」攻撃が成り立たないことは、「談話」作成の当事者である石原信雄氏(当時、官房副長官)が「河野談話の作成の過程で吉田証言を直接根拠にして強制性を認定したものではない」と証言していることでも明らかです。(本紙9月27日付、「歴史を偽造するのは誰か―『河野談話』否定論と日本軍『慰安婦』問題の核心」)

 その石原氏の証言とまったく同じことを現政権の官房長官が述べたのですから、安倍政権としても、「吉田証言」取り消しに乗じた「河野談話」否定論が成り立たないことを認めたことになります。

悪あがきを続け

 それにもかかわらず、安倍首相は「『河野談話』と河野官房長官の(記者会見での)お答えが合わさってイメージが作り上げられている」「吉田証言が河野官房長官のお答えにどのように関わっていたかは分からないが、吉田証言自体が『強制連行』の大きな根拠になっていたのは事実」など、なんとしても「河野談話」と「吉田証言」を結び付けようと悪あがきを続けています。

 しかし、河野氏の会見を持ち出さなくても、「河野談話」自体が「慰安婦の募集」について「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあった」と募集における強制性を認定しているのです。

 結局、「河野談話」継承を口にしながら、「河野談話」否定の立場に身をおく二枚舌の態度は、自己破たんに陥っており、それに固執すれば国際的信頼を損なうだけだということを示しています。

 (藤田健)


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