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2014年1月29日(水)

領土問題で政府見解明記

学習指導要領解説書 政治介入の危険あらわ

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 文部科学省は28日、沖縄県の尖閣諸島と島根県の竹島について、学習指導要領の解説書を改訂し、「わが国固有の領土」と明記しました。下村博文文部科学相は同日の閣議後記者会見で、今後、学習指導要領を同内容に改める意向を示しました。安倍政権がすすめる教育への政治介入の危険性があらわになりました。

 解説書は約10年ごとに行われる指導要領の改訂に合わせて変更されるのが通例。次回は中学が16年度の予定で、前倒しは異例。

 現行の解説書は竹島について、中学社会の地理的分野で「日韓の主張に相違があることなどにも触れ、わが国の領土・領域について理解を深めさせることも必要」とし、高校では「中学校における学習を踏まえる」などと記述。尖閣諸島については中高とも書かれていません。

 改訂後は、中学の地理的分野、高校の地理で竹島を「わが国固有の領土であるが、韓国に不法占拠され、累次にわたり抗議を行っている」と記述。尖閣は「固有の領土でわが国が有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在しない」などとし、日本政府の対応をそのまま教えるよう求める内容です。

 中高の歴史や公民でも「わが国が国際法上正当な根拠に基づき竹島、尖閣諸島を正式に領土に編入した経緯にも触れる」などと追加しました。

 08年に中学社会の解説書で初めて竹島に関して記述した際には、韓国政府が駐日大使を一時帰国させるなど大きな影響が出ました。

 竹島、尖閣諸島はいずれも日本の領土ですが、冷静な話し合いと道理にもとづく解決が求められています。そうしたなか日本の側からの一方的な主張を教科書に反映しようとすることは問題解決をいっそう複雑にします。


 学習指導要領 文部科学省が小・中・高校、特別支援学校の教科の枠組みやその内容、授業時数の取り扱いなどを示したもの。同省は法的拘束力があるとして、学校・教師への締め付けを強めています。解説書は、同省の学習指導要領の解釈を示したもの。


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