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2014年1月28日(火)

チュニジアに新憲法 制憲議会承認

「革命」3年 民主化へ前進 首相は閣僚名簿提出

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 【カイロ=小泉大介】チュニジアの制憲議会(定数217)は26日深夜、ベンアリ独裁体制を倒した2011年1月の「革命」後の国づくりの指針となる新憲法案を投票により承認しました。さらに同日には、先に指名されたジョマア新首相が新たな中立政府の閣僚リストをマルズーキ暫定大統領に提出するなど、「革命」から3年が経過した同国は民主化に向け新たな前進を開始しました。


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 イスラム主義政党アンナハダが第1党の制憲議会は、2年近くにわたる議論を経て起草した新憲法案を、200人という圧倒的多数の賛成で承認しました。今後、暫定大統領の署名を経て施行される見込みです。

 新憲法案はイスラム教を国教と規定しているものの法源とは明記しておらず、世俗派国民に配慮したものになっています。その他にも、人権尊重、女性の権利の保障、行政権の首相と大統領への分散などを規定し、「革命」の理念を反映するものとなりました。

 ベンジャアファル制憲議会議長は新憲法案承認後、「きょうは誇りをもって歴史に刻まれる日となった」「新憲法は権利と平等にもとづく民主主義を建設するためのものだ」と表明しました。

 一方、アンナハダ主導の暫定政府の辞任表明を受けてジョマア首相が提出した中立政府の閣僚リストをめぐっては、数日中に承認するかどうかを決める制憲議会の投票が行われる予定です。

 リストを提出したジョマア首相は新政府の任務について、「(年内に実施される)総選挙・大統領選挙を準備することであり、危機を克服するための治安と経済の回復である」と述べました。

 チュニジアでは「革命」を受けて11年末に暫定政府が発足しましたが、アンナハダと世俗・リベラルの野党勢力が激しく対立し、その後の政治プロセスは大幅に遅れました。ようやく昨年10月に労働総同盟(UGTT)の仲介のもと与野党が対話を開始し、今回の事態打開に至りました。

 同国では、アンナハダが野党勢力に「譲歩」した背景に、エジプトで昨年7月、同じイスラム主義勢力であるムスリム同胞団出身のモルシ前大統領が軍により解任されたことの「教訓」があるとの指摘が出ています。


 チュニジア制憲議会 ベンアリ政権崩壊を受け、2011年10月に制憲議会選挙が実施され、発足。国の新しい憲法を起草することや大統領選挙、総選挙などを行うことが主要任務。同年12月にマルズーキ大統領を選出しました。第1党は穏健イスラム政党「アンナハダ」で89議席。


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