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2013年1月13日(日)

開門調査 完全実施を

都内でシンポ 環境復元の意義強調

有明海・諫早湾

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 潮受け堤防の開門調査の開始がことし12月と決まっている有明海の諫早湾(長崎県諫早市)の現状を報告し、今後の環境保全のあり方を考えるシンポジウム「有明海・諫早湾 日本初の大規模な環境復元の意義」が12日、東京都内で開かれ、約80人が参加しました。主催は底生生物の研究者でつくる日本ベントス学会自然環境保全委員会。

 諫早湾が1997年に潮受け堤防で閉め切られて以後、有明海では、赤潮の多発、ノリの不作を含む漁業被害など多くの変化が起きています。周辺漁民が干拓事業差し止めを求めた訴訟では、2010年に福岡高裁で、5年間の開門調査を命じる判決が出ています。

 熊本県立大学の堤裕昭教授は「有明海では、98年以後、海水中の栄養は増えていないのに赤潮の規模が大きくなっている。海水中の酸素濃度が下がって生物が減っている。諫早湾を閉め切ったために有明海の奥に潮の流れが入りにくくなったためと考えられる。堤防建設で潮の流れを変えたことが原因ではないか」と話しました。

 熊本保健科学大学の高橋徹教授は、「諫早湾の調整池では、淡水にすみ、強い肝臓毒を持つアオコ(植物プランクトン)が大量に発生している。干潮時に調整池から海へ淡水が排水されるため、毒が広がっている。堤防を開けば、調整池に海水が入ってくるのでアオコの発生は止められる」と報告。

 「よみがえれ! 有明訴訟弁護団」の堀良一弁護士は、「農水省が開門調査をきちんとやらないのではないかと危ぐしている。調査が始まったらすぐに研究者が科学データを出し、世論形成することが必要だ。これだけの環境破壊から立ち直れば、国際的にも大きな環境復元の経験になる」と強調しました。


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