2012年7月29日(日)
志賀原発周辺の断層
科学者会議など調査
石川
北陸電力志賀(しか)原子力発電所(石川県志賀町)の北約9キロ付近にあり、専門家から活断層の可能性が指摘されている「富来(とぎ)川南岸断層」の調査が28日、始まりました。
日本科学者会議石川支部、原発問題住民運動石川県連絡センターなど4団体が、新潟大学名誉教授(地質学)の立石雅昭氏を招いて、周辺の土壌サンプルを採取しました。
調査は、人力で土壌に深さ5メートルの穴を開け、2〜3センチ径ほどのサンプルを採取する「ハンドボーリング」と呼ばれる方法。29日も同様の調査を行います。採取したサンプルは、新潟大学災害復興科学センターに分析を依頼。土壌の成分から13万〜12万年前以降に形成された地層を特定し、数地点の調査結果を比較して断層の状況を調べます。
立石氏は「住民の生活と安全を守るためにも徹底した調査が必要不可欠。断層の状況を明らかにし、住民にも説明していきたい」と調査の意義を説明。秋ごろまでに結果をまとめ発表するとしています。
富来川南岸断層については、渡辺満久東洋大教授らが今年5月、原発の耐震安全性を検討する際に考慮が必要な13万〜12万年前までに動いた活断層の可能性が高いと発表しています。
北陸電力は「断層は活動している形跡が長期間無く、原発への影響は無いと考える」としており、県民から再調査を求める声が上がっています。