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2012年5月20日(日)

東電の新経営陣

再稼働・値上げ布陣

原子炉メーカーや経産省出身

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 原子炉メーカー出身に、経済産業省ОB―。東京電力が14日に発表した新しい経営陣の顔ぶれをみると、首をかしげたくなるような問題人物がズラリと並んでいます。


 11人の取締役のうち6人を占める社外取締役には、三菱ケミカルホールディングス社長の小林喜光氏(65)ら3人の財界人が含まれています。(表参照)

 このうち、住宅設備最大手、住生活グループ社長の藤森義明氏(60)は、日商岩井(現双日)、日本ゼネラル・エレクトリック(GE)を経て、米GEの上級副社長を務めた人物です。GEは、事故を起こした福島第1原発の原子炉を製造した当事者です。

 NHK経営委員長でJFEホールディングス相談役の数土(すど)文夫氏(71)は、公共放送として中立性、公正が守れるのか、とすでに関係者から批判の声があがっています。しかも同氏は、2003年4月から05年4月まで、JFEスチールの社長を務めていました。同社は、原発利益共同体の中核団体、日本原子力産業協会(原産協会)の有力メンバーです。

原発輸出に出資

 能見公一氏(66)は、農林中央金庫専務理事、あおぞら銀行代表取締役会長などを経て09年7月に設立された産業革新機構の初代社長です。

 同機構は、国が約9割出資する官民共同の公的ファンドで、大企業間の事業再編などに資金供給するのが目的。東京電力や原子炉メーカーの東芝、日立製作所なども5億円出資しています。一方で、同機構は、原発を海外輸出する国策会社「国際原子力開発」(社長=武黒一郎・東電元副社長)に、東電などの電力会社や原子炉メーカーとともに出資しています。

 このほか、社内取締役で、執行役を兼ねる原子力損害賠償支援機構事務局長の嶋田隆氏(52)は、原発を推進してきた通商産業省(現経済産業省)出身。資源エネルギー庁資源・燃料部政策課長や通商政策局通商機構部長、与謝野馨経済財政担当相の政務秘書官などを歴任しました。

国民につけ回す

 新会長となる下河辺(しもこうべ)和彦氏(64)も、原子力損害賠償支援機構の運営委員長。

 同機構は、昨年8月、民主、自民、公明3党などの賛成で成立した原子力損害賠償支援機構法にもとづく組織で、原発事故による巨額の賠償・除染・廃炉費用などを支出する東電を救済するための仕組み。東電は、同機構を通して拠出された公的資金や税金を返済するために、電気料金の値上げという形で国民に負担をつけ回すことになっています。

 下河辺氏が、「原発の再稼働が不可欠」「再稼働を想定しない計画は、計画の名に値しない」などと公言するなど、東電の新経営陣は、原発再稼働、電気料金値上げシフトとなっています。

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