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たび・つり

多彩に旅案内

9月の旅。「徳川氏の発祥地」といわれる群馬県太田市。一期一湯は、長野県上田市の鹿教湯温泉。街道を歩く・例幣使街道その六は、栃木県鹿沼市の楡木から文挾


好評です毎週水曜日の「つり」

11月は北海道・積丹半島、古平川のサケ、山形・白山島のアジ、茨城・那珂湊沖のタコなどを予定


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縁切寺満徳寺の駆け込み門(復元)

<9月 たび 群馬県太田市/徳川家ゆかりの「縁切寺」(記事を読む)>

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 9月の旅から紹介です。3日付は、「徳川氏の発祥地」といわれる群馬県太田市を訪ねました。幕府公認「縁切寺」だった満徳寺など、興味津々の歴史スポットを探訪。地元名産の大和芋のフルコースを楽しみました。
 10日付の一期一湯は、長野県上田市の鹿教湯(かけゆ)温泉をめぐりました。秋は紅葉の名所となる温泉街で、真田家にもゆかりの湯を満喫しました。
17日付の街道を歩く・例幣使街道その六は、栃木県鹿沼市の楡木(にれぎ)から文挾(ふばさみ)を歩きました。今宮神社の例大祭で使用される、「動く陽明門」と称される彫刻屋台を鑑賞しました。

<8月 ツルシのぶらり探訪/神奈川県川崎市/岡本太郎が描いた原爆(記事を読む)>


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 釣りが大好きな赤旗応援団による釣行記を、日刊紙の水曜付と、日曜版に月1回掲載します。日刊紙は、11月は北海道・積丹半島、古平川のサケ、山形・白山島のアジ、茨城・那珂湊沖のタコなどを予定しています。
日曜版では、イラスト付きエッセイ「森越ハムの全力ゆる釣り日記」(毎月第4日曜)が好評連載中です。

<10月 つり コイ 山形 大沼/サオ水没!? 油断大敵 記録更新 大型11キロ(記事を読む)>

<9月 つり メジナ、サバ 神奈川 三崎漁港/夏の思い出プレゼント 初ゲット、喜び満開(記事を読む

釣りたよりは「赤旗」日刊紙の地方版に掲載しています。


◎たび 群馬県太田市/徳川家ゆかりの「縁切寺」

たびMAP.jpg 今回は、意外な歴史を持つ群馬県太田市の旅をご案内します。各見所はドライブで回るのがおすすめです。

 実はこの街、徳川氏の発祥地だといわれています。鎌倉時代に、新田荘(にったのしょう)徳川郷(現太田市徳川町)を領地とした武士・新田義季(よしすえ)が、所領にちなんで徳川と名乗り、これが徳川家康の先祖とされているとのことです。その由緒を感じさせる史跡も残っています。

 最初に訪ねたのは徳川町にある縁切(えんきり)寺満徳寺です。江戸時代には、神奈川県鎌倉市にある東慶寺と並び、幕府公認の「縁切寺」でした。当時は妻が離縁を申し出ることが認められていなかったのですが、縁切寺に入寺して一定期間たつと、離縁が認められました。

 この制度は日本にしかなく、縁切寺は世界中でも前述の2寺だけです。隣接して資料館もあり、妻を連れ戻そうと追ってくる夫から逃れて寺に駆け込むため、草履を門の中へ投げ込む拡大図画なども展示されています。草履など身につけている物が敷地内に入れば、本人が駆け込んだとみなされたそうです。

 面白かったのは白黒のトイレが並ぶ「縁切・縁結厠(かわや)」です。白が縁切用、黒が縁結び用。用意されているお札をそれぞれに流して白黒つけ、人生を前進させようというわけです。

 この寺が縁切寺となったのは、家康の孫娘で、豊臣秀頼に嫁いだ千姫(せんひめ)との関わりがあるからだそうです。大坂夏の陣で秀頼は自害しましたが、千姫は救出され、離縁・再婚のため満徳寺に入ったという説があります。この縁で「千姫を大河ドラマに」という誘致活動が、同じく千姫と縁のある茨城県常総市など全国6カ所の自治体とともに行われています。

 ランチには、名産の大和芋料理がイチオシです。今回訪ねたお店では、麦とろのほか、たたき芋明太子和(めんたいこあ)えや、磯辺揚げに山かけ、とろろそばに陶板焼き、紅白の大和芋漬物、デザートも付いたフルコースが味わえます。これで2000円弱と実にお値打ちです。

 食後に立ち寄った長楽寺は、徳川氏の始祖とされる徳川義季が承久3(1221)年に創建した寺です。関東で最初の禅寺、「東関最初禅窟」とされています。

 最後は温泉に入って帰りましょう。向かったのはショッピングモール内にある太田安眠の湯です。ナトリウム―塩化物泉の天然温泉で、つぼ風呂とひのき風呂では源泉かけ流し湯を満喫できます。残暑厳しい時期でしたが、さっぱりと汗を流し、爽快な気分でした。
飯塚玲児
【交通】縁切寺満徳寺へは、東武伊勢崎線木崎駅からタクシーで約10分。車は、関越自動車道花園ICから約40分
【問い合わせ】太田市観光物産協会 電話0276(47)1833
(9月3日付)


◎ツルシのぶらり探訪/神奈川県川崎市/岡本太郎が描いた原爆

たび8月.jpg 神奈川県川崎市・多摩区の生田(いくた)緑地内に、川崎市岡本太郎美術館があります。「戦後80年《明日の神話》次世代につなぐ原爆×芸術」展が開催中です(10月19日まで)。

 展示の第1部は、広島市立基町(もとまち)高等学校・創造表現コースの生徒たちが描いた「次世代と描く原爆の絵」です。同校は広島市の原爆爆心地のほど近くに位置。生徒たちは、被爆者から半年以上の時間をかけて話を聞きとり、その記憶を絵に描く活動を、2007年から続けています。現代の高校生によって、被爆の実体験が若い世代へと受け継がれているのです。

 展示されている生徒たちの作品は、広島平和記念資料館蔵の42点。《死んだ我(わ)が子を背負う若いお母さん》《母の背中 大火傷(やけど)にウジ虫が動く》―などです。高校生たちが、想像を絶する凄惨(せいさん)な場面をどう描くかに悩み苦しみ、証言者のつらい記憶や思いに寄り添いながら描き上げた力作です。

 第2部は、核兵器や戦争を題材にした岡本太郎(1911~96年)の作品約120点の展示です。岡本は戦時中、中国戦線に出征。戦後は戦火ですべてを失いながらも猛然と活動を再開し、社会にメッセージを投げかける作品を発表しました。

 岡本の最高傑作ともいわれる《明日の神話》は、広島と長崎に落とされた原爆が炸裂(さくれつ)した瞬間や、ビキニ環礁での米水爆実験(54年)で被爆した第五福竜丸をモチーフにしています。

 外に向かって激しく放射する構図と、鮮烈な赤色。「人類よ、核兵器を乗り越えて未来に向かって生きろ」という強烈なメッセージが伝わります。この原画をもとにした、横30メートル、高さ5・5メートルの壁画が、JR渋谷駅と京王井の頭線渋谷駅を結ぶ連絡通路にあります。

 第3部は、現代アーティスト9組の作品を展示しています。80年前の戦争の記憶を起点にして、現在進行形の戦争や原発事故などに通じる、独自の視点が斬新です。

 李晶玉(リ・ジョンオク)さんは91年生まれの在日朝鮮人3世です。《Ground Zero》は、東京都心を上空から俯瞰(ふかん)した平面作品です。遠くに富士山が見え、都心上空には原爆を思わせる真っ赤な球体が描かれています。球体の直下の街は、焼失したかのように真っ黒に塗りつぶされています。

 李さんは「作者の言葉」の中で、「80年前の戦争は避けて通れない事柄であったし、個人的にも自身の属性やルーツから、第2次世界大戦は常に気にかかる対象だった」と記しています。

 岡本の名言「芸術は爆発だ」を思い出す旅になりました。人類は核兵器と原発をなくすことができるはずです。
 ツルシカズヒコ

【交通】川崎市岡本太郎美術館へは、小田急線向ケ丘遊園駅から徒歩17分、タクシー5分
【問い合わせ】川崎市岡本太郎美術館 電話044(900)9898※月曜休館(祝祭日の場合翌日休館)
(8月6日付)


◎つり コイ 山形 大沼/サオ水没!? 油断大敵 記録更新 大型11キロ

コイ.png 暑かった夏がやっと終わった9月下旬。朝晩には涼しい風が吹き、コイもエサを食べるようになってきたので、巨ゴイを釣り上げようと出かけました。釣り場は、西川町の「長沼大沼森林公園」にある大沼です。車で約1時間かかります。

 林道脇に駐車し、道具を入れたリュックを背負い、サオとタモを手にして水面近くまで下りるのが一苦労です。そのうえ、クマが出る危険もあるので、ラジオをつけっぱなしにして歩きます。

 私のコイ釣りは、磯ザオを使ったウキ釣りです。午前8時半に開始。まったくアタリが無いまま10時半を過ぎたころ、突然「ガタッ!!」と音がしてサオが水の中に...。急いで押さえようとしたのですが後の祭り。サオごと持っていかれました。

map.png いつもはサオに水糸をつないで「安全」を担保しているのに、この日は油断していました。

 途方に暮れていると、30メートルほど先の水面にサオの手元が見えました。サオ内部の空洞の空気で浮かんできたのでしょう。

 コイが引っ張るのか、かなりの速さで動いています。投げザオを急いで準備して吸い込みバリを付け、磯ザオを釣り上げました。サオでサオを釣ったのは初めてです。

 磯ザオを上げると、ものすごい引きです。6号の道糸がジージーと音を立てながら出ていきます。目いっぱい巻いていた糸が心配です。

 コイとの駆け引きです。ここからがリアドラグリールの出番で、締めては巻き、引かれたら緩めの繰り返しで、徐々に近くに寄せます。口にしっかりとハリが掛かっているのを確認し、もう一度ドラグを締めてタモに入れようとしました。

 しかし、大きすぎて60センチのタモになかなか入りません。15分ほど格闘したでしょうか、やっとのことでタモに入れ「エイヤッ!!」と引き上げました。83センチ11キログラムの丸々と太ったコイでした。

 そんなに大きくはありませんが、重さは2022年に大沼で釣ったコイを上回り、私のレコード(最高記録)です。

 長沼大沼森林公園にはキャンプ場もありますが、クマが心配なのかキャンプをする人はまったく見かけません。長沼にはトイレもあり、車も横付けできて安全ですが、山上湖の大沼は注意が必要です。なお、どちらでも遊漁証が必要(近くのコンビニで販売)です。(山形・鯉するおやじ)
(10月29日付)


◎つり メジナ、サバ 神奈川 三崎漁港/夏の思い出プレゼント 初ゲット、喜び満開

メジナp.jpg 夏が暑い! ますます暑い! 小学4年生と5歳の孫娘たちは8月、熱中症対策のために外で遊べず、室内で過ごす日が続いていました。

 そのうえ母親は仕事が教師のため、夏休み中も部活、研修、補習に追われています。とうとう孫娘たちは「退屈だよ! どこか行きたいよ!」と絶叫。私たち祖父母の出番となり、釣りに出かけることにしました。

 8月17日、暑さを避けて夕方の午後4時半から始めました。場所は三浦半島の三崎漁港です。持ち物は身軽にして、大人用の延べザオ2本(子ども用は持っていません)、そしてバケツ。終始、祖父母は裏方に徹します。エサのオキアミは大人が付けてあげました。

 5歳児が持つサオのウキが、すぐにグーンと沈みました。大きな引きでした。キョトンとしていた孫は魚の力に引きずられ、右に左に引っ張られます。慌てて私が、孫の後ろからサオを握りしめてフォローします。大人が力を貸しながら、どうにか釣り上げました。

 「やった!」。孫は笑顔でぴょんぴょん跳びはねて喜びます。25センチのサバでした。その後、エサを何度か付け替え、小魚が釣れました。

MAP1.jpg しばらくして、小4のお姉ちゃんのサオがグーンと弓なりに曲がりました。魚の引きに、ぎゅっと唇をかみしめて耐えています。自分で対応することも勉強だと、祖父母は見守りました。

 全身に力を入れて魚の引きに耐え、大人の助けなしに自力で釣り上げました。25センチのメジナでした。お姉ちゃんは、かすかな笑み。初めての経験で緊張したようです。

 大人が釣ったものも含め、釣果は合計でサバ1尾、メジナ5尾。2時間弱で良い成果でした。

 いつの間にか日が陰り始め、遠くに夕焼けが広がりました。海がオレンジ色にキラキラ輝いています。孫たちの笑顔も夕焼け色に染まっています。釣れたのがうれしかったようで、孫たちは重いクーラーボックスをずっと離しませんでした。

 この日の夕食は、サバの塩焼き、メジナのフライ。一口食べるごとに「釣ったんだよね!」と喜んでいます。楽しい夏の思い出ができました。(東京・所澤文江)
(9月17日付)

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