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テレビ10月

【10月のテレビラジオ面】

☆佐々木蔵之介さん登場! 「黄昏流星群」で恋愛ドラマ初の主役

☆「55歳、進化しますよ」~寺島進さんの熱演輝く「駐在刑事」

☆脚本家・羽原大介さんが語る「昭和元禄落語心中」

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□佐々木蔵之介さん登場! 「黄昏流星群」で恋愛ドラマ初の主役(22日付)

 人生の折り返し点に差し掛かった男女の恋を描く「黄昏流星群」(フジ系)で、主役・瀧沢完治を演じます。意外にも、50歳までラブストーリーは「履修してこなかった」とか。「何が幸せなのかを探していく旅です」と、ドラマの見どころを語ります。(記事を読む

□「55歳、進化しますよ」~寺島進さんの熱演輝く「駐在刑事」(29日付)

 金曜8時のドラマ「駐在刑事」(テレビ東京系)が注目を集めています。ちょっとコワモテの名脇役・寺島進さんが主役として挑むのは、自然と人を愛する〝駐在さん〟。今年で55歳を迎える決意は、「自分はこれから進化しますよ。名前が〝進〟なもんで」。(記事を読む

□脚本家・羽原大介さんが語る「昭和元禄落語心中」(1日付)

 映画「フラガール」や朝ドラ「マッサン」などの名作を生みだした脚本家・羽原大介さん。ドラマ「昭和元禄落語心中」(NHK総合)で描いたのは、芸を愛するがゆえにぶつかりあう人と人の感情です。伝えたいことは、ズバリ「落語の世界はダメな人にやさしい」。(記事を読む

●第45回伊藤熹朔賞 「コード・ブルー3」手掛けた飯塚洋行さんに本賞(15日付)

 優れたテレビ美術に贈られる伊藤熹朔賞本賞に、今年はフジテレビ「コード・ブルー3」のセットを手掛けた飯塚洋行さんが選ばれました。評価されたのは、シャープで臨場感のある病院セットと事故現場セット。「設計図がタウンページのような厚さになった」と明かします。(記事を読む

●「ニュース女子」問題は「放送界全体の問題」~BPO事例研究会から(24日付)

 BPO(放送倫理・番組向上機構)が発行する『BPO報告』で、デマ番組「ニュース女子」問題について意見交換したBPO事例研究会の模様を掲載しました。各放送局員からは「番組はファクトの積み重ねではない」「放送界全体の問題」などの意見が出されました(紙面を見る

●ドラマで活躍・多彩な顔が登場 9月の「休憩室」(毎週土曜日掲載)

 ☆鈴木保奈美さん(7日) 子育ても一段落した主婦がスーパーで奮闘する「主婦カツ!」(NHKBSプレミアム)の主役です。日頃のママ友との会話も「主婦ってすごい!」だとか。

 ☆趣里さん(14日) 「僕とシッポと神楽坂」(テレビ朝日系)で放つ独特の存在感。相葉雅紀さん演じる獣医師に、「真っすぐパワフルに」思いを寄せる芸者役は、注目です。

 ☆山崎育三郎さん(21日) ミュージカル界のプリンスが天才落語家を演じます。「昭和元禄落語心中」(NHK総合)。自身の性格と正反対だという役に「全身全霊」で臨みます。

 ☆Gパンダパンダさん(28日)昨年プロになったばかりで「NHK新人お笑い大賞」を制覇。若き会計士と大手企業マンが組んだコンビの目標は、「人が笑っている空間をつくりたい」。

●好評「試写室」 新ドラマ、ドキュメンタリーを紹介

  ジャーナリストや作家、詩人ら多彩な執筆陣が、新作ドラマやドキュメンタリーなどの話題作を取り上げ、見どころを伝えます。みなさんは今夜、どの番組を選びますか?

●石子順の「映画の窓」

 毎週金曜日付に掲載。評論家・石子順さんが、1週間分の映画(地上波、NHKBSプレミアム)を厳選。その見どころを〝直球解説〟で届けます。

♪♪♪毎週月曜日付は「テレビ・ラジオ特集」です♪♪♪

 毎週月曜は1面を使った特集面をお届けします。最新のテレビ・芸能情報から、話題の人へのインタビュー「思いのままに」「ラジオとともに」など内容も多彩。一流執筆陣による評論「波動」は放送界の「いま」を深く切り取ります。演出の巨匠・鶴橋康夫さんのコラム「ドラマの種」が好評です。

◆「波動」執筆陣(50音順)◆

 碓井広義(上智大学教授)、河野慎二(ジャーナリスト)、桜宮淳一(在阪テレビ局報道記者)、隅井孝雄(ジャーナリスト)、利元克巳(広島マスコミ9条の会)

【反響続々! 月イチ連載に注目を】

◇武田砂鉄の「いかがなものか」

 テレビを見ていて感じるモヤモヤの正体って何? 新著『日本の気配』が話題となっている気鋭のライター・武田砂鉄さんが、芸能から政治までズバッと切り込みます。(第3月曜日付「テレビラジオ特集面」で掲載)

◇やきそばかおるの「ラジオの歩き方」

  国内すべてのラジオ局を網羅する異色のライター・やきそばかおるさんが、各地で愛される注目番組をセレクトします。これを読めば、あなたもきっと〝ラジオの達人〟に?!(第4月曜日付「同特集面」で掲載)

◇11月から連載スタート 石井彰の「テレビ考現学」

  本欄「波動」で執筆陣の一人、放送作家・石井彰さんによる新連載がスタートします。その名も「テレビ考現学」。テレビ界の最新事情を〝ご意見番〟的に語り尽くします。(第1月曜日付「同特集面」で掲載)
《石井彰(いしい・あきら)さんプロフィール》1955年長野県生まれ。TBSラジオ「永六輔の誰かとどこかで」を演出。テレビ・ラジオで多くの番組を企画構成。日本民間放送連盟賞ラジオ教養最優秀、テレビ報道優秀など受賞作多数。

◇「おすすめ民放BSシネマ」&「イマイのこれ観よっ」

  民放BS各局で放送予定の映画を選りすぐって毎月紹介します。NHK朝ドラの脚本も手掛けた〝映画通〟今井雅子さんが、作り手目線でその月に観るべき作品を熱く語る「イマイのこれ観よっ」もあわせて、どうぞ!

♪♪♪読者・視聴者の「声」で紙面をつくります♪♪♪

◇あなたも投稿してみませんか~「みんなのアンテナ」
「あのドラマは感動した!」「ちょっとこの番組はヘンじゃない」…。テレビ・ラジオ番組の感想を募集しています。また、放送問題への意見も大歓迎です。

「みんなのアンテナ」は200字程度の原稿にまとめ、①住所②氏名(紙上匿名可)③年齢④電話番号を記入のうえ、以下のあて先・アドレスに送付してください。掲載の場合は薄謝を進呈します。

【はがき・手紙の場合】
〒151-8675  東京都渋谷区代々木郵便局私書箱62号

   【FAXの場合
 03(3350)5298

 【Eメールの場合
 hensyukoe@jcp.or.jp

※いずれの場合も「みんなのアンテナ係」と明記してください。


◎思いのままに/フジ系「黄昏流星群」主演佐々木蔵之介さん/失った感情を取り戻す

 人生の折り返し点に差し掛かった男女の切ない恋を描く「黄昏流星群」(フジ系、木、後10・0)。第2の人生をどう生きるのかを、浅野妙子の脚本が繊細なタッチで問いかけます。ラブストーリー初挑戦という主役の佐々木蔵之介さん(50)に、物語の狙いや演技の工夫を聞きました。(和田肇)

 主人公・瀧沢完治は入社以来、脇目も振らず働き続けた銀行員。ところが派閥争いの巻き添えで左遷である出向を告げられます。
 「私も同じ50歳。サラリーマンも経験してきましたし、勢力争いも分からないこともないではない。50歳で恋愛ドラマの主人公をさせていただいたのは、いいきっかけかと思いました」
 気になるのは交錯する人間関係。完治は旅先のスイスと出向先で2度出会った栞(黒木瞳)に、妻・真璃子(中山美穂)は娘・美咲(石川恋)の婚約者・春輝(藤井流星)に心ひかれていきます。

セリフなしで表現

 佐々木さんは「これはリスタートのドラマなんです」と強調します。完治は会社人間だったため、左遷を家族に言えないままスイス旅行に出ました。
 「この時点で、家族と完治に問題があったのではないかと思う。そんなときに栞に出会う。出向先で『こんな温かな人間関係があるのか』と。忘れていたもっと基本のこと、人に対しての気持ちを取り戻していく。娘の気持ちも分かってきたよ、妻の気持ちも分かってきたよ、とどんどん取り戻していくんです」
 恋愛ドラマは「履修してこなかった」と苦笑い。他のドラマとの違いは「刑事ものや弁護士ものよりセリフが圧倒的に少ない」ことだといいます。
 「セリフのない部分をどうつくるのか。彼女や彼氏に対する思いを余白にどう表現するのか。ちょっと違う感覚が分かりました」
 恋愛ドラマですが「登場人物は全員、恋愛体質ではない」ときっぱり。「生きていることに、あることをきっかけに疑問を感じ始めて、それをよくしようとしていく。何が自分たち、家族にとって幸せなのかを探していく旅です」

舞台との違いとは

 劇団出身で、今も毎年舞台に立つ佐々木さん。舞台とドラマの違いを聞きました。
 「2時間の舞台をやるとき、あえて答えを分からないようにします。連続ドラマの場合は、分からないと視聴者が離れてしまう。むしろ『こうなるんでしょ』と安心させた方がいい。映画とか舞台はにおわさないで突然ばずーん、とやった方が面白い。これはお茶の間と劇場の違う所やと思います」
 芝居・役者を見たいとお金を払う映画や舞台に比べ、無料のテレビドラマに視聴者を引き付ける難しさ。「連続ドラマでは、答えを見せてあげた方がいいくらい。ヒントじゃ伝わらないような感じになってきた気がする」とつぶやきました。
 舞台では座長として全責任を負います。「お客さんを前にずっと背負っていかなければならない。その楽しみ方はありますね。その時間に劇場で立っているから編集できない。ライブと、そうでないものとの違いですね」
 現在、舞台「ゲゲゲの先生へ」(原案=水木しげる、脚本・演出=前川知大)で長野、大阪、愛知などをツアー予定です。

第3話あらすじ 完治(佐々木)の出向を知った妻・真璃子(中山)は、今までの不満を完治にぶつける。娘の美咲(石川)も婚約者である春輝(藤井)との結婚までは銀行員でいてほしかったと責める。気の休まらない完治の楽しみは、出向先の食堂で栞(黒木)と会うことだった。

 ささき・くらのすけ 1968年、京都市生まれ。2000年、NHK連続テレビ小説「オードリー」で脚光を浴びる。主な作品に「ハンチョウ」シリーズ(TBS系)など。
(10月22日付)


◎思いのままに/金曜ドラマ「駐在刑事」主演寺島進さん/55歳、進化しますよ

 東京の奥多摩の美しい自然を舞台に「義理人情」の人を熱演しています。金曜ドラマ「駐在刑事」(東京系 後8・0)で、主人公の駐在警察官・江波敦史役です。シリーズドラマから連続ドラマ化され、「日本一美しいドラマになっています。(役に)より愛着が出てきました」。(小川浩)

 江波は、かつて警視庁捜査1課の刑事でしたが、担当事件の取り調べ中、重要参考人が服毒自殺したことで奥多摩の駐在所へ左遷された、わけあり刑事です。今では住民から「駐在さん」と呼ばれています。
 「捜査1課の刑事たちが捜査やサスペンスの部分をやってくれていて、江波的には人情味、家族愛、自然や人を愛する人のいい駐在さんでいたい」

点数稼ぎしない

 〝いい駐在さん〟とは―。
 「警察というと組織の縛りがあって、(仕事上)点数稼ぎのイメージがあるけれど、江波は決してそういう点数稼ぎをしない。今、そういう人がいたらいいなあと思う見本です」
 そんな江波の周囲では、リニア新幹線の残土処分場をめぐり工事業者と住民が対立。地元選出の衆院議員やフリージャーナリストなど怪しい人間が江波の周囲に現れ、そして死者がでる事態に。(19日放送、第1話)
 主演というプレッシャーを「大丈夫、心配ない、なんとかなる」と前向きなものに変える言葉を自分に言い聞かせています。
 2時間で終わるドラマが連続になった時、台本の流れを理解し、頭の中で物語を整理する方法を「どうすればいいですか?」と、昨年3月に亡くなった渡瀬恒彦さんに聞いたことがあります。「テラ(寺島さん)、なんとかなるから」という言葉が心強く、肩の力を抜くことができました。
 この夏、ドラマの撮影に入る2日前、渡瀬さんの家を訪ね「連続が決まりました」と報告しました。
 「毎回『駐在刑事』を見てくれていました。『ここよかった』『あそこの演技はなくていい』と助言や感想をいただいていました。奥様は『きっと渡瀬も喜んでいると思うよ』と言ってくださいました。それがすごい励みになって愛と恩義と結束力で撮影しています」
 〝愛〟という文字には思い入れがあります。殺陣師としてスタートし、先輩たちから愛をもらい、演じ続けているからです。
 松田優作さんが主演・監督した映画「ア・ホーマンス」(1986年公開)でデビュー。「優作さんは、厳しさと優しさがあって、ほめられるとうれしかった」といいます。映画監督の北野武(ビートたけし)さんと出会い、「斬られ役をやっている頃から役をいただいた。育ての親です」
 映画「あの夏、いちばん静かな海。」(91年公開)の撮影時、たけしさん節で「役者はいいぜ。死ぬ間際に天下取ったら勝ちだぜ」と言われました。
 「役者をやってていいんだと思った瞬間でした。続けていくことの大切さを知りました。今年、55歳になります。自分はこれから。進化しますよ。名前が〝進〟なもんで」

ドラマで元気に

 最近、俳優として心を痛めていることがあります。
 「台風や大きな地震で被災した方たちを見ていると、自分は役者をやってていいのかなあと思うんですよ。何をやるべきかなあと思いをめぐらしてみると、テレビドラマの持つ力を発揮するということかなと思います。被災者はじめテレビドラマを見た人たちが、ちょっとドキドキして、笑い合って、いやされて、元気になってもらう。そんなドラマにします」

てらじま・すすむ 1963年、東京都生まれ。三船芸術学院で殺陣を学び、映画の世界へ。映画「ア・ホーマンス」(86年)でデビュー。北野武監督の映画に多数出演し、ドラマ「満願 最終夜『満願』」「ドラマスペシャル Aではない君と」などに出演。
(10月29日付)


◎脚本家 羽原大介さん/ドラマ「昭和元禄落語心中」を脚色/骨太な世界観を壊さず、落語の昭和史の視点を

 連続ドラマ「昭和元禄落語心中」(NHKテレビ 金 後10・0)が12日から放送されます。雲田はるこさんの同名漫画をドラマ化。落語に魅せられ、芸を愛するがゆえに、憎しみ、友情、羨望…、さまざまな感情が人の間を行き交う人情物語です。脚色を手がけたのは、連続テレビ小説「マッサン」などの脚本家・羽原大介さんです。作品への思いを聞きました。(小川浩)

 舞台は昭和初期。落語家八雲(岡田将生)は、同期入門の落語の天才・助六(山崎育三郎)と固い友情を育みますが、一方で、助六の芸に憧れ、嫉妬し、追いつこうともがきます。そして、芸者・みよ吉(大政絢)に支えられ、成長していきます。助六とみよ吉は、あるきっかけで結ばれ、謎の事故死を遂げてしまいます。八雲はその死の秘密を抱いたまま、2人の娘・小夏(成海璃子)を引き取り育てましたが、「親の仇(かたき)」と憎まれます。八雲は、なぜ助六とみよ吉の死の真相を隠し続けるのか…。

「禁演落語」のエピソードも

 「雲田さんの原作がしっかりしていて、骨太な人間ドラマが描かれているので、その世界観を壊さないように心がけました。それを全10話に収まるように書くのは、苦労しましたが、約4カ月間、書いていることが、すごく楽しかった」と振り返ります。
 「落語の昭和史という視点がブレないように意識しました。戦時色が濃くなる中、当局が寄席を監視している場面や、戦意高揚の邪魔になるからと落語家たちが自ら決めた『禁演落語』のエピソードを書いています」
 今回、漫画を脚色する作業は、「俳優という生身の人間が演じるので、原作者の世界観を壊さないように俳優の表情で視聴者のみなさんに伝えている場面を入れました」。

舞台経験から寄席に親近感

 物語を通じて伝えたいことは「落語の世界はダメな人に優しいんですよ。そんなことが伝わればなあと思います」。
 この作品を書くために寄席に何度も足を運びました。
 「若い落語家さんや、芸人さんが、お客さんにウケない場面を見ると、〝その冷や汗の感じわかるよ〟と言いたくなります。舞台の経験から親近感があります」と話します。
 劇作家つかこうへいさんに師事し、脚本家となり、演劇の世界で活躍している羽原さん。2001年に結成した劇団「昭和芸能舎」を主宰しています。
 「うちの劇団のモットーは、負け組の応援歌であること。マイノリティー、ハンディキャップのある人の側に立って、その人たちの背中をちょっとでも押せるような芝居をやりたいなと思っています。私や、うちの劇団員と同じように、お金のない人、地位のない人、親不孝している人、でも生きていたっていいよ、生きていたらいいことがあるよ、と伝えられたらいい、と常に思っています」
 ◇
 昭和芸能舎版・舞台「フラガール」秋田公演は、7日、8日「あきた芸術村・小劇場」。いずれも午前10時30分、午後2時30分。詳細はインターネットで「秋田芸術村小劇場」を検索。

 はばら・だいすけ 1964年、鳥取県生まれ。中学・高校時代は山梨県で過ごし、日本大学芸術学部に進学し上京。つかこうへいさんの運転手兼大部屋俳優の修業時代を経て、92年、脚本家デビュー。2006年、映画「パッチギ!」で日本アカデミー賞優秀脚本賞、07年、映画「フラガール」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、12年、ドラマ「とんび」(NHK)でモンテカルロテレビ祭最優秀賞など受賞多数。
(10月1日付)


◎第45回伊藤熹朔賞授賞式/遠い夢がかなう/テレビ美術家、喜び語る

 毎年、優れたテレビ美術に贈られる伊藤熹朔賞(テレビ日本美術家協会主催)。第45回を数える今年の授賞式がこのほど行われ、第一線の美術家たちが受賞の喜びを語りました。(田村三香子)

本賞に飯塚洋行さん/フジ「コード・ブルー3」

 伊藤熹朔賞本賞は、フジテレビのドラマ「コード・ブルー3」のセットを手掛けた飯塚洋行(ようこう)さん(フジアール)です。
 作品は大学病院を舞台に、救急搬送ヘリに乗り込む医師たちを描くドラマで、「シャープで緊張感のある病院セットは…圧倒的な空間を創り出している」と評されました。同時に「迫力ある臨場感ある事故現場セットは…実にリアルに再現している」と評価されました。
 「伊藤熹朔賞は遠い夢でした」という飯塚さん。増本淳プロデューサーのリクエストは「限られた面積の中で、大病院を実現」「目の前のセットの奥に別のシーンのセットが背景になるように」というもの。飯塚さんは「気が付けば(書き直した)設計図がタウンページのような厚さに。それでクオリティー(質)の高くなったのではないかと思います」。
 増本プロデューサーが祝福します。「セットは、窓の一つ一つ、梁(はり)の一つ一つ、柱の一本一本まで、全部自慢できます」

協会賞/山下さん、小澤さん

 協会賞は、「NHKスペシャル~戦後ゼロ年 東京ブラックホール 1945―1946」の山下恒彦さんと小澤雅夫さん(ともにNHKアート)に贈られました。
 山下さんは「ドキュメンタリーともドラマともつかない新しい映像表現を評価していただきうれしく思います」。小澤さんは「どえらい企画がきたと腹をくくり、インパクトのあるものができて、うれしい」とのべました。

特別賞/松田明子さん

 長年の功績をたたえて特別賞を贈られたのは、松田明子さん(クリエイティブ・トゥマロウ・コラボ)。百貨店でショーウインドーの装飾を手掛けていた1983年、TBSの音楽番組の仕事が舞い込みます。「演じる方を引き立てる」テレビ美術の仕事にのめり込んでいきます。「美空ひばりさんの番組で、美空さんがセットのお花を『とてもきれいね』とほめてくださったのが、私の一生の宝物です」
 「ザ・ベストテン」「日本レコード大賞」ほか数々の音楽番組を手掛けた松田さんは、「大好きな仕事でみなさんに貢献できることがどれだけ幸せかをかみしめています」。

新人賞/平岡真穂さん

 新人賞には日本テレビ「ZERO×選挙」などを担当した平岡真穂さん(日本テレビアート)が選ばれました。
 「多岐にわたる番組を完成度の高いデザインで支え」「スタッフとともに果敢にチャレンジできるデザイナーとして」期待されることが授賞理由です。
 小学生のころからさまざまな絵画コンクールに応募してきた平岡さん。「私の仕事はクライアント(依頼主)のかなえたいものを可視化すること。子どものころからの積み重ねが職業に結び付いて、ありがたいことです」

伊藤熹朔賞 伊藤熹朔は戦前、築地小劇場の舞台装置でデビューした美術家。戦後は新劇を中心に新派、オペラ、歌舞伎、映画と幅広く活躍しました。その名を冠したこの賞は、1973年の第1回から98年まで、日本舞台テレビ美術家協会が舞台とテレビの両部門を顕彰。99年からは、同協会から独立したテレビ日本美術家協会がテレビ美術を、同じく日本舞台美術家協会が舞台美術を顕彰しています。
(10月15日付)

 

 


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