2025年11月5日(水)
きょうの潮流
いくら強がっても、やましさは隠せなかったか。「真摯(しんし)に受け止め、今後は一切行わない」「反省すべきは反省し、説明責任を果たす」と釈明に追われています▼日本維新の会の藤田文武共同代表です。自身の公設第1秘書の会社に約2千万円の公金を支出し、その会社が同秘書に年720万円の報酬を支払っていたという税金還流の疑惑。本紙日曜版がスクープしました▼この報道にすぐに反応したのが維新創設者の橋下徹氏でした。自身のXで「まさに政治家による公金マネーロンダリング」と指摘。その後も「禁止ルールがなくてもやったらあかん」「これが今の維新国会議員団の公金の扱いに対してのぬるぬるの感覚の象徴」と批判しました▼身を切る改革を声高に叫びながら、身内には税金を使ってもうけさせる。政治とカネの問題を棚に上げ、民意をきりすてる国会議員の定数削減を迫る。税金を分けあう政党助成金をもらい、それを還流させる。言うことと、やっていることが真逆です▼しかも藤田氏は取材にあたった日曜版記者の名刺を公表。嫌がらせ電話やメールが相次ぎ業務が妨げられています。こうしたやり方はプライバシーの侵害とともに、与党幹部による記者活動や言論への圧力です▼いまや高市反動政権のダブルアクセルと化した維新。その代表が疑惑まみれでは国民が望む政治に進むわけがありません。藤田氏の座右の銘は「敬天愛人」だといいます。自然を敬い、人々への愛情や思いやりを大切にする。それも偽りか。








