2025年11月2日(日)
きょうの潮流
先週、鹿児島で原爆の犠牲者を追悼する「慰霊祭」が実施されました。探勝園にある平和祈念碑の前に県内の被爆者やその遺族らがつどいました▼広島で母親が被爆したという春田真未子さんは、日本被団協のノーベル平和賞にふれて「被爆者の願いや希望と努力が評価された」と。続けて「これを大切に私たち被爆2世も核兵器のない世界へ向けて努力したい」と話しました▼厚労省の実態調査によると、全都道府県にわたる被爆者の数はおよそ10万人。平均年齢は86歳を超えています。被爆から80年の今年は各地で追悼や集会が催され、原爆被害のむごさとともに核廃絶への誓いを新たにしています▼その思いを吹き飛ばしたのがトランプ米大統領による核実験の表明です。直ちに開始するよう国防総省に指示。33年ぶりの再開には米国内でも反対の動きが広がっています▼被団協も「核兵器のない平和な世界を求めて努力している世界の各国に真っ向から反対するもので、とうてい許すことはできない」と抗議。同時に、被爆者をはじめとする失望や怒りの声が高市政権に向けられています。唯一の戦争被爆国にもかかわらず、何もいえない対米追従。しかもノーベル平和賞に推薦してまでこびる姿に▼ガザ虐殺で孤立するイスラエルを支え、国連の活動からも離れていく人物を平和の使者のように扱う。核被害のありさまを少しでも理解していれば、こんな卑屈な態度はとれないはず。改めて問いたい。いったい、どこの国の首相、政府かと。








