2025年11月1日(土)
主張
学校給食の無償化
大軍拡やめ教育予算の拡充を
給食無償化を求める運動が全国で広がり、小中学校とも行う自治体は2023年に全自治体の32%の547まで増えました。国による実施を求める声も高まり、政府は「小学校では26年度に実現し、中学校への拡大もできる限り早期に実現する」との方針を今年2月に示しました。
しかし、来年度予算に向けた文部科学省の概算要求は、制度の詳細や額を示さない事項要求にとどまっています。
憲法は義務教育の無償を定め、学校給食法は給食を教育の一環と位置づけています。子どもの権利を保障する制度として、全国の小中学校で給食の無償化を国の責任で直ちに行うべきです。
■「安定財源」言うが
高市早苗首相は所信表明演説で、小学校については「安定財源の確保とあわせて」来年4月から実施するとしました。その一方、大軍拡を推しすすめようとしています。
公立の小中学校と特別支援学校の給食費(食材費)の無償化は、年4832億円(文科省推計)程度で可能です。
かたや高市首相は、軍事費と関係経費のGDP(国内総生産)比2%への増額を前倒しし今年度中に11兆円にするとして、この臨時国会で組む補正予算案に1・1兆円を新たに盛り込む見込みです。軍事費の財源は問わず大盤振る舞い、給食の無償化は財源を言い訳に足踏み―教育や国民生活に背を向けています。
22年度に5・4兆円と文教・科学予算と同水準だった軍事費は、わずか3年で8・7兆円に急増。一方、文教・科学予算は横ばいで、25年度は物価上昇率に及ばず実質マイナスです。11兆円となれば、文教予算の2・6倍に達します。
大軍拡は教育や暮らしの予算を圧迫します。「子育て支援」のためとして社会保険料に上乗せの負担がかぶせられるように、「安定財源確保」として国民に負担が押し付けられる危険があります。
■公平性を確保して
文科省はこれまで無償化の「課題」も強調し、慎重な姿勢をみせてきました。その一つが「公平性」です。アレルギーなどで弁当を持参したり不登校だったりして給食を食べない児童生徒には恩恵が及ばず不公平だというものです。
しかし、それは無償化の障壁にはなりません。文科省も、一部自治体が「給食を喫食しない児童生徒に対する代替手段として、給食費相当の金銭を給付」していると認めています。そうした仕組みを取り入れ、公平性を確保することこそ求められます。
24年度から無償化を始めた東京都西東京市では、弁当持参の場合は給食費相当額を支給し、25年度からは不登校の場合も支給対象にしました。 日本共産党市議団は市民と共同で署名運動に取り組み、議会で「分断を生まず、みんなの要求にすることが大切」と、弁当持参や不登校、私立に通う場合も対象にすることも求めてきました。
自治体の給食費補助を「否定しない」という文科相答弁を引き出した日本共産党の吉良よし子参院議員の国会論戦も力になりました。
市民の声が動かします。軍拡を止め教育予算を増やせの声を大きく広げましょう。








