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2025年10月31日(金)

きょうの潮流

 安倍元首相の後継者であることを前面に押し出し、トランプ大統領との距離を縮めた高市首相。日米首脳会談では安倍氏が愛用したゴルフのパターまで手土産に用意していました▼時を同じくして山上徹也被告の裁判が始まりました。奈良市で街頭演説中の安倍氏が銃撃され死亡した3年前の事件です。初公判で被告が殺人罪を認め、今後は犯行動機とされる統一協会の問題や政界との癒着がどこまで解明されるか▼「そこまで人生を追いつめ、心を追いつめた」。ある元信者2世はそういいます。山上被告と境遇が似ているという若い男性はテレビで「こういう事件を生まないためにも考え直す機会になれば」と語ります▼母親が統一協会に入信し、多額の献金で一家は困窮。難病の兄は自ら命を絶ち、自身も大学をあきらめ自殺を図ったこともある山上被告。統一協会に人生を翻弄(ほんろう)され、復讐(ふくしゅう)心を強めたとして弁護側は情状酌量を求めました▼霊感商法や高額献金の強要といった数々の反社会的な手法で被害を広げた統一協会。そこから支援をうけ広告塔となってきた安倍元首相や多くの自民党議員。高市首相をはじめ新閣僚にも協会と関係を持った人物が何人も▼安倍氏の死亡は両親の他界よりもつらく、泣き続け不眠症になったという高市首相。ならば、信者やその家族の人生を狂わせた統一協会の重い罪と、それと結びついてきた政治への反省があってしかるべきではないのか。いまも苦しんでいる信者2世たちの救済につなげるためにも。


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