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2025年10月30日(木)

薬、必要なんです

OTC類似品 保険外し反対 95%

「生活できない」「受診できない」不安次々

患者家族・保団連・新婦人アンケート

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(写真)アンケートの中間報告を行う大藤朋子さん(右から2人目)=29日、東京都千代田区

 市販薬と同様の効能を持つ医療用医薬品(OTC類似薬)の保険適用除外が狙われるもと、患者家族と全国保険医団体連合会(保団連)、新日本婦人の会が29日、厚生労働省で会見し、保険外しに関する影響アンケートの中間報告を行いました。回答者の95%が保険外しに「反対」と答え、薬代の増加や症状悪化を懸念し、子育てや現役世代の負担増加にも繋がる実態が明らかになりました。

 OTC類似薬の保険外しは自民、公明、維新が6月に合意。今月発足した高市早苗自維政権は、保険外しをはじめとする社会保障制度改悪を早期に進めていくとしています。

 アンケートは9月下旬から開始し、10月7日時点で5687件の回答が寄せられています。子育て、現役世代を中心に、がん・難病など重篤な疾患を抱える人が多数回答しています。

 アンケートの呼びかけ人で、難病の息子を持つ大藤朋子さんは、苦しい実態が浮き彫りになったと強調しました。

 保険外しになれば、保険給付を前提とした高額療養費制度、難病や子ども、ひとり親の医療費助成制度も適用されなくなります。

 オンラインで当事者たちが発言しました。「薬はやめられない。生きていくために必要なんです」と、声を震わせたのは神経難病の40代女性です。全身の痛みや不眠に苦しみ10種類以上の薬を服用し、薬代は月に約1万円。鎮痛剤などが保険外しになれば「生活できない」と訴えました。

 3人の子がアレルギー疾患を抱える30代女性は、子ども医療費助成のおかげで安心して受診できていると強調。保険外しになれば、気軽に受診ができない不安を語りました。

 保団連の竹田智雄会長は、医師の立場から患者判断による市販薬購入の危険性や受診控えに伴う症状悪化などの懸念を表明。青天井の軍事費拡大を批判し、「国民は社会保障の充実を求めている」と強調しました。


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