2025年10月29日(水)
きょうの潮流
渋沢栄一らが日本橋兜町に東京株式取引所を設立したのは、1878年(明治11年)でした。公債取引の場として始まり、その後、鉄道業や紡績業を中心に株式売買が活発化していきました▼戦後に再開され、176円台からスタートした平均株価が1万円を超えたのは1984年。88年には3万円、昨年は4万円、そして週明けの東京株式市場で史上初めて5万円を突破しました。日本経済の移り変わりを映してきた株価ですが、ここにきて急激な値上がりです▼それが、どれほどの人に恩恵を与えているか。街頭では生活の苦しさは変わらないとの声も。米価の高止まりをはじめ家計の負担は重くなるばかりです。物価高騰への無策で大敗しながら、何カ月もほったらかしの自民党政権。新政権の支持率が高いのも何か進むのではという期待があるから▼来日したトランプ大統領と日米首脳会談に臨んだ高市首相。相手を天まで持ち上げ、交わした約束は…▼象徴的なのは大統領とともに横須賀の米原子力空母に乗り込み、「日本の防衛力を抜本的に強化」すると息巻いた姿でした。アメリカいいなりの大軍拡に80兆円の投資も。ご機嫌取りの大盤振る舞い。これほどの財源を、くらしの支えに回せば、どれだけ助かるか▼株主の利益を最優先させ、労働者の賃金を抑えつけてきた日本の「株主会社」。財界至上のアベノミクスによって経済を停滞させ、戦争する国づくりへの政治をなおも継承する高市政権。いずれ期待は失望にかわるでしょう。








