2025年10月26日(日)
きょうの潮流
秋を忘れたかのように冬の装いが一気に進む列島。初冠雪の便りも各地から届いています。風情や趣をもたらしてきた季節の移ろいは失われ、暑さ寒さの二極化が進むのか▼気候の変動は自然環境を変化させ、あらゆる生きものに影響を及ぼしています。その現象は、山の実りの凶作が続き、エサを求めて人間の生活圏に出没するクマの行動にも表れているのでしょうか▼このところ毎年のようにクマが街なかに出てきますが、深刻さが増しています。今年は人が襲われる被害が相次いで死者数は過去最悪。多くの負傷者が出ています。自宅やスーパー、保育園や温泉旅館と、至る所で遭遇の危険が潜んでいます▼人とクマとの関係が明らかに変わってきた異常事態。岩手県議会では共産党の議員が「人里でエサを見つけた成功体験がある子グマが成長し、人を恐れない行動がエスカレートしている可能性がある」との専門家の見解を紹介。県のとりくみを抜本的に強化すべきだと訴えました▼まずは人身被害を防ぐ態勢づくりが急がれます。クマは国や都道府県が適正に管理する指定管理鳥獣に加わり、今年は駆除できる緊急銃猟制度も始まりました。緊急の対策とともに、長期的にはすみわけられる森林の確保や環境保全が欠かせません▼化石燃料の大量消費や自然破壊によって地球温暖化や生態系の変化を招いている人間の活動。クマをはじめ、野生の動物とどう向き合っていくか。それは人類がめざす世界のあるべき姿にもかかわっています。








