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2025年10月25日(土)

きょうの潮流

 グテレス国連事務総長がきのう、こんなメッセージを発信しました。「国連は単なる機関ではなく、国境を越え、大陸を結び、世代を超えて人々を鼓舞する『生ける約束』なのです」▼10月24日は80年前に国連が創設され、国連憲章が発効された記念日。さまざまな課題を抱えながらも、平和を築き、貧困や飢餓と闘い、人権を擁護し、より持続可能な世界を構築するための歩みだったと振り返っています▼憲章の前文は、2度までも人類に与えた言語に絶する戦争の悲哀や惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳および価値を改めて確認するとしています。そこには命や人権が軽んじられてきた歴史への反省が込められています▼同じ日、高市首相の所信表明演説がありました。強調したのは強い国づくりと「国家国民のため」。富国強兵を掲げ、国を破滅に導いていった戦前の姿をほうふつとさせて▼真っ先に示した経済対策も庶民のくらしを下支えするものでなく、財界が喜ぶものばかり。「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」と、大軍拡に拍車をかける。「必ずや強く豊かに日本を再び世界の高みに押し上げる」とした、その先にあるものは…▼国連は結集から3年後、世界人権宣言を採択。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」との主張は戦後日本の憲法にも息づいています。その道のりを思うとき、人類史の流れから立ち遅れたこの政権の姿がありありと。


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